遭遇 ページ34
冨岡と炭治郎が、上弦の参と遭遇したらしい。
Aはもどかしい気持ちで鴉の報告を聞いていた。
生きているように動く建物のせいで合流できない。
(炭治郎君、師範・・・どうか無事で・・・！)
「炭治郎、義勇、上弦ノ参撃破」
はっと足を止めるA。
「疲労困憊ニヨリ意識保テズ失神！！」
安心と心配が半分半分だ。
(早く、師範のところに・・・)
急に周りの雰囲気が変わった。
何やら柱が立っている。
それにこの圧。
中央に立っているのは上弦か。
背を向けているが、腰には刀で袴姿。
長髪を一つに束ねていた。
(時透さん！)
刀で刺されて動けなくなっていた。
Aは速度を上げて駆け寄る。
反対から実弥が現れた。
その場に留まって刀を振るう。
目を凝らすと、実弥の後ろには玄弥がいた。
(玄弥君。仲直りできたのかな。)
少し安心するA。
限り限りの場でも、そんなことが嬉しい。
時透を助けようと近づく。
「月の呼吸 伍の型 月魄災渦」
回り込む前に阻まれてしまった。
「風の呼吸 参の型 晴嵐風樹」
実弥が相手してくれる。
こちらに漏れてきた攻撃だけで阻まれてしまったのかと歯噛みする。
Aに気づいた鬼が振り返った。
(やっぱりそうか。上弦の壱。)
二つづつ並んだ六つある目の、真ん中二つに数字が入っていた。
「女の鬼狩りとは・・・」
その隙をついて実弥が攻撃を仕掛ける。
「風の呼吸 弐の型 爪々・科戸風」
刀を合わせた状態で、玄弥の刀を蹴り上げた。
Aと実弥で上弦の壱と斬り合う。
瞬きもできない。
時透のことが気になるが、少しでも目を逸らしたら即死だ。
「月の呼吸 陸の型 常夜孤月・無間」
上弦の壱が円形の斬撃を出した。
間合いが異様に広い。
横腹を切られた。
「A！」
自らも怪我を負った実弥が叫ぶ。
ふうううと息を吐く。
呼吸で止血し刀を構え直した。
実弥が切り込む。
上弦の壱は応戦するが、なんだろう。
足運びが少しもたついた。
実弥は短く息を吐く。
いや、笑っているのか。
「猫に木天蓼、鬼には稀血」
俯いたままそう呟いた。
上弦の壱を煽る実弥。
実弥の血の匂いで、鬼は酩酊するらしい。
「稀血の中でもさらに稀少な血だぜ。存分に味わえ！！」
そう言って実弥は戦いを仕掛けた。
酩酊したはずの上弦の壱だが、技に鈍りは見られない。
「月の呼吸 参の型 厭忌月・鎖り」
放たれた技を誰かが弾いた。
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ひかる(プロフ) - ミユさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(*^^*) (5月7日 7時) (
レス) @page42 id: c4c9e482b4 (このIDを非表示/違反報告)
ミユ(プロフ) - 普段小説などで泣かないのですが、大泣きしました。この作品大好きです。 (5月6日 22時) (レス) @page45 id: 14f11f958d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかる | 作成日時：2024年3月9日 9時
