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上弦襲来 ページ4

そういえば、落とし物。

そう言って炭治郎が、前歯を取り出した。

温泉で拾ったらしい。


「なんで取ってんだよ気持ち悪ィ奴だなテメェは!!」


玄弥が体を引き気味で言った。

それに関しては同感である。

会っていきなりこれだとそんな反応にもなるだろう。

炭治郎の普段の様子を知っているからそう思わないだけで。

二人は玄弥に首根っこを掴まれ、外に放り出されてしまった。

(ていうか玄弥君、目を合わせてくれなかったなぁ。)

炭治郎には突っ込みを入れていたのだが。

まあ、女の子が苦手な人もいるか。

Aは深く考えないことにした。



(あれ?)

自室で眠っていたA。

変な雰囲気を感じて目を覚ました。

(隊服に着替えていて良かった・・・)

枕元に畳んでいた羽織をさっと身につけ、手早く髪を結う。

気配を追ってゆっくりと歩き出した。


突然、隣の部屋が騒がしくなる。


『炭治郎君!』


バッと襖を開け放つ。


「ヒィイイイ」


頭を抱えて逃げ回っている老人の姿の鬼と、戦っている炭治郎、禰󠄀豆子、時透がいた。


(なんだろう、逃げ回っている・・・でも時透さんの攻撃が当たっていない。上弦・・・?)


時透が頸を切る。


切ったところから別の鬼が現れた。

分裂か。

上弦の陸と同じなのか。

近づいていた時透が不意を突かれる。

『時透さん!』

『玻璃の呼吸 弐の型 繊月一閃』

Aの刀が分裂した鬼の頸を切る。

一瞬の差で時透は吹き飛ばされてしまった。

刀を握りしめる。

踵を返して構え直す。

『玻璃の呼吸 参の型・・・』

鬼は四体に分裂している。

先ほどの老人の姿はなんだったのか。

どの鬼からも圧を感じる。

Aはそのうち一体に切り掛かった。


一体が錫杖を地についた。

全身にビリビリ痺れが走る。

そうだ。

この鬼は上弦の四。

今まで戦ったどの鬼よりも強い。

(まずい、意識が)

Aよりは遠くにいた炭治郎が、必死の表情で叫んだ。

「A!」

飛びそうになっていた意識を取り戻す。


俄かに痺れが止まった。

顔を上げる。

玄弥が銃を構えている。


そのまま三体の頭を吹き飛ばした。

「楽しいのう!」

三体のうちの一体が笑う。

たかを括っているのか、余裕の表情だ。


(できる?ここには柱がいない。この四人で。)


Aは首を振った。

出来る出来ないではない。

やるしかない。

時透の前線復帰は怪しい。

この四人で頸を切る方法を考えよう。

悪鬼め→←呼吸の強化



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ひかる(プロフ) - ミユさん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(*^^*) (5月7日 7時) (レス) @page42 id: c4c9e482b4 (このIDを非表示/違反報告)
ミユ(プロフ) - 普段小説などで泣かないのですが、大泣きしました。この作品大好きです。 (5月6日 22時) (レス) @page45 id: 14f11f958d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひかる | 作成日時:2024年3月9日 9時

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