師範の過去の話 ページ20
(どうして・・・)
もやもやした気分のまま水柱邸を出る。
竹林を過ぎたところで蜜璃と行きあった。
「あら、Aちゃん！」
『蜜璃さん。』
蜜璃は目をぱちぱちさせて首を傾げる。
「どうしたの？元気がないの？」
『蜜璃さん、実は・・・』
蜜璃は甘露寺邸にAを上げてくれた。
わいわいとパンケーキを頬張る隊士たちに紛れて隅のテーブルに座る。
Aも淹れてもらった紅茶を啜った。
「そうねえ。冨岡さん、どうしたのかしら。」
Aの話を聞いた蜜璃は首を傾げた。
きっと大丈夫よ！と蜜璃らしい明るさで元気づける。
そこに、鎹鴉が舞い込んできた。
知らせを聞いた蜜璃は、パァッと顔を明るくする。
「あら、あらあら〜」
Aの方を振り向いて笑った。
「炭治郎君が来たみたい。」
「炭治郎君久しぶりー！おいでませ我が家へ！」
蜜璃がブンブン腕を振って言う。
『久しぶり〜！』
一緒に出てきたAも手を振った。
炭治郎が養蜂をしているのかと尋ね、蜜璃はAにしたのと同じようにパンケーキの説明をした。
『もう怪我はいいの？』
蜜璃に変わってAが話しかける。
炭治郎は朗らかに笑った。
「もう大丈夫。Aもこれから稽古なのか？」
あー、と視線を彷徨わせ、Aは言う。
『蜜璃さんには相談事をしててね。これから伊黒さんの稽古なの。』
「そうか。Aはすごいな！」
目を輝かせる炭治郎。
優しい笑顔を見て、Aは思わず泣きついた。
『炭治郎君、師範がね〜・・・』
ウンウン、と話を聞いていた炭治郎。
顎に手を当てて、眉根を寄せた。
「んん〜なるほど。でも、そうかぁ。」
困り顔で、でも心当たりがありそうな様子。
何か知っているの？とAは首を傾げた。
「義勇さん、柱稽古にも参加するって言ってたし・・・Aの稽古をつけないって思っている訳じゃあ、ないと思うんだけど・・・」
眉をハの字にした炭治郎は途切れ途切れに言った。
あれ？と思った。
義勇さんと呼んでいただろうか。
炭治郎ははっと口を開ける。
「Aが柱稽古に行ってから、お館様からの手紙が来たんだ。」
お館様から頼まれたこと、冨岡が柱稽古に参加しなかった理由を教えてもらったこと。
それを炭治郎に教えてもらう。
(っていうか、ざるそば早食い勝負・・・その流れでやったんだ。)
本人も理由がわからないわけだ。
どういう思考になったんだ、炭治郎。
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ひかる(プロフ) - ミユさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(*^^*) (5月7日 7時) (
レス) @page42 id: c4c9e482b4 (このIDを非表示/違反報告)
ミユ(プロフ) - 普段小説などで泣かないのですが、大泣きしました。この作品大好きです。 (5月6日 22時) (レス) @page45 id: 14f11f958d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかる | 作成日時：2024年3月9日 9時
