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天才的な焼き芋 ページ18

『はーい。あ、不死川さん。』

「よォ。」

不死川が片手を上げる。

「冨岡は?」

『師範はさっき外出されました。悲鳴嶼さんか、しのぶさんのところかと思うのですが。』

この柱稽古の期間、柱同士でも手合わせして実力を高めていくらしい。

不死川もそのために来たのだろうが、申し訳ない。

鴉の伝達が遅れたのだろうか。

「そうかィ」

引き返す不死川。

あ!と手を打って、Aが引き止めた。


『天才的においしい焼き芋ができたんです。食べて行かれませんか?』


「はあ?」

不死川は胡乱げに振り返る。

ニコニコしているAについて、水柱邸に入った。



『たくさん食べてくださいね。いっぱいあるので。』

Aは縁側に腰掛けた不死川に一本手渡した。

不死川の隣に座って焼き芋を頬張る。


ちらっと目を向けた先には、まだ焼いていないさつまいもが積み重なっている。

「お前、また誰かからもらったのかァ」

呆れたようにそう言われる。

『時透さんのところから帰る途中、お米を運んでいるおばあちゃんがいたんですよ。放っておけなくて・・・』

目的地まで運んだら、さつまいもを箱でくれた。

そう聞くと、不死川はガシガシ頭を掻いた。

さぼっていると思われただろうか。

不安に思っていると、不意に優しい目になった。

「これだけあると、煉獄が欲しくなるなァ。」

『確かに。』

Aはくすくす笑った。

『煉獄さんならぺろっと食べちゃいそうですね。』


ふと思いつきで言ってみる。

『甘露寺さんも呼んでみましょうか。』

「テメェの都合で柱を呼び出すんじゃねェ」

拳で頭をグリグリされた。

『いてて。痛いです。』

両手で頭を抑える。

ハンッと笑った不死川。

えへへ、と笑うA。

水柱邸で繰り広げられる平和なやりとり。


不死川の穏やかな表情を見て、帰ってきた冨岡が腰を抜かしそうになったのはまた別の話。



「Aちゃん!いらっしゃーい!!」

時透の次は蜜璃の稽古だ。

蜜璃は手をブンブン振ってAを迎えた。

三時にはパンケーキを作るからお楽しみに〜と、楽しそうに説明してくれる。


『そういえば、師範にパンケーキのお店を教えてくれたのが、確か蜜璃さんだって聞きました。』


蜜璃から「パンケーキ」という単語を聞いて、無限列車の後のことを思い出した。

恋柱から教えてもらったというパンケーキ。

あれはとても美味しかった。

三時が楽しみだ。

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ひかる(プロフ) - ミユさん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(*^^*) (5月7日 7時) (レス) @page42 id: c4c9e482b4 (このIDを非表示/違反報告)
ミユ(プロフ) - 普段小説などで泣かないのですが、大泣きしました。この作品大好きです。 (5月6日 22時) (レス) @page45 id: 14f11f958d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひかる | 作成日時:2024年3月9日 9時

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