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鬼殺隊に入る前 ページ17

水柱邸の庭に、Aと冨岡。

Aは今、二人きりで稽古をつけてもらっている。

こうしていると、鬼殺隊に入る前に戻ったみたいだ。


違うのは、数日すればまた仲間たちに合流すること。

それと余計なことを考えていると、大怪我するような威力の攻撃が入りかねないことである。


(・・・今みたいに!)


隙が出来たAの腹に、冨岡が木刀を打ち込む。

間一髪で身をよじる。

『玻璃の呼吸 伍の型 天弓燦々』

冨岡の木刀を蹴り上げて背中側に着地。


「水の呼吸 漆の型 雫波紋突き」


振り向きざまに入れられた突きを寸止め。

(今・・・!)


『玻璃の呼吸 漆の型 銀花』


動きに緩急をつけて攪乱する。

冨岡にまだ見せたことのない新技だ。

不意打ちの一撃が入る。

そう期待した瞬間、バキッと音を立てて木刀が折れた。

(あっ!)

気を取られて尻餅をつく。

木刀を下ろした冨岡が、左手を差し伸べた。

『・・・精進します。』

むう、とむくれて立ち上がるA。

「いい技だ。」

冨岡が呟いた。

「霞の呼吸に近いのか?」

顔を上げて、Aの方を見る。

んふふ、とAは自慢げに笑った。

『刀鍛冶の里で見せてもらったんです。』

すごいでしょ?と言った後、気まずそうに目を逸らす。

『師範には通用しませんでしたが。』

「そうだな。」

テクテクと離れていく冨岡。

聞き取れるぎりぎりの声量でボソッと言った。

「驚いた。」

キラキラと目を輝かせるA。

『ありがとうございます!』

冨岡はくるりと振り返り、木刀を構える。


「もう一本、いけるか。」


『もちろんです。』

すうっと呼吸を整える。


『あ、木刀は新しいのにしてもいいですか?』

「・・・そうだな。」



次の柱稽古は時透のところで高速移動の訓練だ。

手始めに剣技を見せる。

時透はにこにこして言った。


「うん!良いね。里で言ったことも出来るようになってる。強いて言えば・・・」


指南してもらいつつ打ち込み稽古をする。

他の隊士がまだ少ないこともあり、基本的に時透自らが相手になってくれた。

二日ほどすると、格段に速い動きが出来るようになった。


「そうそう。筋肉の緊張と弛緩を細かく意識できてるね。A、次の柱のとこに行っていいよ!」


輝く笑顔で言う時透。

『ありがとうございます!』



水柱邸に戻ったA。

鍛錬の休憩がてらに焚き火の様子を見ていると、戸を叩く音が聞こえた。

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ひかる(プロフ) - ミユさん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(*^^*) (5月7日 7時) (レス) @page42 id: c4c9e482b4 (このIDを非表示/違反報告)
ミユ(プロフ) - 普段小説などで泣かないのですが、大泣きしました。この作品大好きです。 (5月6日 22時) (レス) @page45 id: 14f11f958d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひかる | 作成日時:2024年3月9日 9時

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