沼 ページ20
「さ、着いたぞ。」
アルトを連れてやってきたのは薄暗い沼地
傍から見れば子供を連れて遊ぶ所ではないのだがアルトがアルビノという事もあり傘のない状態で思い切り遊ぶなら日の当たらないここがいいのだ
それにヒカリゴケのあるここならば全く何も見えないと言うことも起きない
「ここならばどれだけ騒ごうが人も来ない…それに服が汚れたとして後で洗えばいい話だ。思う存分遊べ！」
『ありがとうルシア！』
文面からもわかる無邪気にいる様子にルシアは笑った
微笑ましいからではない
これから起こる恐怖のサプライズに泣き喚く姿を想像したからだ
(この沼地には誰も来ない…が、例外がいる。悪魔崇拝者と死にたがりだ。ここは魔力が一定に保たれかつ高濃度だから素人でも悪魔を喚びやすい。だいたい失敗するが…その為、ここ近辺に潜んでいる魔物は魂の食べ放題楽しめる。崇拝者だけでなく死にに来た魂も喰らえるし、だから魂が尽きることが無い。昨今は良い気になった雑魚魔物が蔓延り最近では人を呼び集め殺して喰らっているらしい。そこでだ…予めそれをアルトに伝えた上でさらに自分が側にいると魔物は更に凶暴になると伝える。勿論嘘、寧ろ逆になる。だがこうすれば魔物に襲われるのは私が側にいるからだと思い込み契約解消まで持っていけるだろう…)
ルシアは頭の中で計画を組み立て、成功すると思いまた笑った
アルトは夢中で泥遊びをしている
(さて、そろそろか…)
ルシアは魔物である沼の主に気づかれぬよう木の影に隠れ様子を伺う
ゴポゴポと泡立つ沼
それらは徐々に丘を作りながら何かに姿を変えてゆく
やがて現れたのは大口と大きな手が特徴的な化物
ここの沼の主だ
「！」
「うぉぁぁぁぁ！」
化物はアルトをその手で掴み上げると大声で叫んだ
(いいぞ…さぁ泣け！そして契約解消を願えアルト！自分と契約解消すればそんな目には二度と会わなくてすむんだぞ！)
期待に胸を膨らませながらその声を待つルシア
しかしいつまで立っても期待した声はこない
寧ろ何故か沼の主の声すら聞こえない
(何故だ？)
不思議に思い少し顔を木の後から出して見るとルシアは空いた口が塞がらなくなった
「あっやめてっ！そこだめ！あ！いや！くすぐるのやめてぇぇ！アヒャヒャヒャ！」
そこにいたのは体中をあちこち這いずりまわり遊ぶアルトとくすぐったいのか笑い声を上げる沼の主の姿があった
「な、ハァ！？」
想像すらしていないその状況にルシアはなんでこうなったとただただ立ち尽くしていた
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闇鍋ソース(プロフ) - ナイフさん» ありがとうございます！今後も作る機会があれば続きを書きますのでよろしくお願いいたします (2019年8月17日 1時) (
レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
ナイフ(プロフ) - シリアスとギャグの使い分けがとても巧で、あっという間に最後まで読んでしまいました。とても面白かったです……。素敵な作品をありがとうございます。 (2019年8月16日 23時) (レス) id: db7c72b981 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - いちごシロップさん» コメントありがとうございます！頑張らせて頂きます！ (2019年5月2日 2時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
いちごシロップ - 悪魔と人間が友達になる、って冒頭からほっこりしちゃいました。でもシリアスな場面もあって…。とにかくとても面白いです！これからも頑張ってください！ (2019年5月1日 23時) (レス) id: 99dc49cbe7 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - まゆみさん» 人外×人間が大好きなんですよ…！ (2019年3月31日 19時) (レス) id: 32007db41f (このIDを非表示/違反報告)
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