大量 ページ18
カチャカチャ
食器同士が擦れ合う音がする
服なんて代えがあるわけもなくその高貴でキチンと手入れの施された白いスーツの袖を不格好にまくり皿を洗う
あいも変わらず分かりきっている理由に溜息をつきながらルシアは最後の皿を皿入れに入れた
「はぁ…ミノスはいつもこれをやってるのか…益々自分でやりたくなくなった。」
(他人の唾液のついた皿を素手で洗わなくてはならない…こんな事未来永劫やる事など無いと思っていたがまさかこんな日が来るとは…)
ルシアは今日何度めかの溜息をついた
その溜息で皿を乾燥させる
あっという間に拭いてもいないのに皿が乾く
それを確認してルシアは影移動でアルト達の元へ行こうとした
しかし次の瞬間部屋の扉が開いた
間一髪で影の中に逃げおおせたが一歩間違えれば大事になる
(これ以上面倒事はゴメンなんだよ…!)
悪態をつきながらルシアは状況を見守ることにした
「アルト!」
「ありゃ?いねぇじゃねぇか。」
入ってきたのは男が二人
二人共屈強でがたいがいい
殴られれば痣が暫く残るだろう
男は椅子を蹴りながらケッとツバを吐いた
「ケッ、必要な時にいねぇんだアイツはクソ…役立たずめ…」
「でも皿は洗ってあるみたいだぜ?そこら中の仕事片付けてまわってんじゃねぇか?」
「ならいいけどよ…」
行動が良く感心したのか少しばかり機嫌が良くなった男達
しかしそれはルシアやスカルの行動あってのもの
もしアルト一人にやらせたならば日が暮れていた
「アイツもやっと慣れてきたってところか?」
「違いねぇ!」
ゲラゲラ笑う男達に影の中でルシアは舌打ちをする
(貴様等だって二人がかりでやっとだろうが愚か者共め…これだから人間は嫌いなんだ。あーあ…手を出せないのがもどかしい…)
歯軋りしながら待っているとやがて男達は出ていった
「行ったな。」
影から頭を出し辺りを細かく確認し誰もいない事を知るとルシアは扉を開けて再度影移動でアルト達の元へ向かった
ーーーーー
「終わった終わったー!フー!子供一人にやらせる量でねぇでやんすよ!」
プンスカ怒るスカル
背後にはアルトの身長の5倍に積み上がった薪
普通はこんなの大人が二人係でやる量だ
そんなスカルにアルトは水を汲んで差し出した
「あ?飲めって?こりゃどーも!じゃ、飲ませておくれやす。」
カパッと開いたスカルの口にアルトは言われた通り水を流し込んだ
「プッハー!生きかえるぅ!ま、死にやしないんですがね。」
一人ゲラゲラ笑うスカルにアルトもつられてニッコリ笑う
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闇鍋ソース(プロフ) - ナイフさん» ありがとうございます!今後も作る機会があれば続きを書きますのでよろしくお願いいたします (2019年8月17日 1時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
ナイフ(プロフ) - シリアスとギャグの使い分けがとても巧で、あっという間に最後まで読んでしまいました。とても面白かったです……。素敵な作品をありがとうございます。 (2019年8月16日 23時) (レス) id: db7c72b981 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - いちごシロップさん» コメントありがとうございます!頑張らせて頂きます! (2019年5月2日 2時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
いちごシロップ - 悪魔と人間が友達になる、って冒頭からほっこりしちゃいました。でもシリアスな場面もあって…。とにかくとても面白いです!これからも頑張ってください! (2019年5月1日 23時) (レス) id: 99dc49cbe7 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - まゆみさん» 人外×人間が大好きなんですよ…! (2019年3月31日 19時) (レス) id: 32007db41f (このIDを非表示/違反報告)
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