別行動 ページ17
「…やるか…下がれアルト。」
アルトを自分の背後に立たせるとルシアは人差し指に青い灯火を出現させた
彼女の能力は大きく分けて2つあり
一つは影移動
もう一つが蒼い炎の使役である
この2つの特殊能力と持ち前の鉤爪のある左手がルシアの武器である
あと生活魔法も少々
まぁそんな事はさておきルシアはその灯火にフッと優しく息を吹きかけると忽ち熱風が洗濯物に吹きかかり水分が蒸発していく
ルシアは洗濯物が焦げないようにかなり手加減をしたが、ものの数秒で洗濯物は乾燥した
手で触り、完全に乾いた事を確認するとルシアは手早く洗濯物を取り外し始めた
「よし、さっさと終わらせるぞ。まだ仕事はありそうだしな。」
アルトはあまりにも早く終わったので驚きながらも元気よく頷き籠に洗濯物を詰めていく
その共同作業ははたからみれば微笑ましいものだ
もしルシアに羽も、角も、鋭い牙も、異形の鉤爪もなければ親子と言っても過言ではないだろう
その後、畳むのは面倒臭いので無理矢理にでもスカルを説得という名の恐喝で黙らせ洗濯同様今度は体内で畳ませて台に積み上げさせた
「はぁ…ほんっと杖使いが荒いでやんすよ姉貴は!」
「こんなんで音を上げてたら明日からやっていけないぞ!これからこんな事が毎日あるんだからな…」
「いやだぁ!」
泣き喚くスカルは無視してルシアはアルトに向き直る
「で、他は?」
『あとはしょっきあらいとまきわりだよ!まきわりは外だけど大きな日かげがあるから大丈夫!それにルシアたちが手伝ってくれるからきっと早くおわるよ!ありがとう!』
飛び跳ねながら笑うアルトにルシアは毒気が抜かれる感じがしてウンザリしていた
しかし不思議と悪い気はしない
(なんだ?裏表がないからか?)
そんな事を考えたが今はこのクソみたいな村を出るのが先決とルシアはスカルをアルトに託した
「へ?ルシア様?」
「薪割りは任せた。私は食器洗いをやる。」
「えぇ!?姉貴できるんでやんすか!?」
「ま、見様見真似だがなんとかなるだろう。頼んだぞ。」
「え!?ちょ、姉貴!?」
ルシアはそのまま影移動を使いキッチンまで去っていった
「えぇ…ワイ、コイツと一緒に作業せなあきまへんの?」
笑顔でこちらを見つめるアルトにスカルは溜息をつく
(主はワイを安売りしすぎでやす…契約者とはいえこんな子供に自分を預けるなんて…)
かつて幻の死杖と呼ばれた自分の名が泣くとスカルは嘆く
しかしそうは言っても主の名には逆らえない
「じゃ、いきましょか?」
仕方ないのでそういうとアルトは頷き杖を片手に全力でかけて行った
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闇鍋ソース(プロフ) - ナイフさん» ありがとうございます!今後も作る機会があれば続きを書きますのでよろしくお願いいたします (2019年8月17日 1時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
ナイフ(プロフ) - シリアスとギャグの使い分けがとても巧で、あっという間に最後まで読んでしまいました。とても面白かったです……。素敵な作品をありがとうございます。 (2019年8月16日 23時) (レス) id: db7c72b981 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - いちごシロップさん» コメントありがとうございます!頑張らせて頂きます! (2019年5月2日 2時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
いちごシロップ - 悪魔と人間が友達になる、って冒頭からほっこりしちゃいました。でもシリアスな場面もあって…。とにかくとても面白いです!これからも頑張ってください! (2019年5月1日 23時) (レス) id: 99dc49cbe7 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - まゆみさん» 人外×人間が大好きなんですよ…! (2019年3月31日 19時) (レス) id: 32007db41f (このIDを非表示/違反報告)
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