冷酷悪魔と筆談少年

アホ ページ16

「んな横暴な！」

「私は魔界の支配者だぞ？命令に背くならば今すぐその頭蓋をかち割り魔力を…」

「へい！わかりやした！わかりやしたからそれだけはご勘弁を！」

「最初からそうしろ…」

少し脅せばすぐにスカルは泣きながら了解した

「たくもー…おえっ…おっさんの匂いが何十倍にも凝縮されて…あー、これがピチピチのギャルの下着ならどれだけ良かったか…」

「スーカールー？」

「へい！ヤリマス！今すぐやります！」

ルシアの威圧に文句を垂れるのをやめ、スカルは深呼吸して洗濯物を見据えた
スカルは口を開くと近くにあった沢山の水瓶の水を全て吸い上げると次に石鹸を一つ頬張り、更に洗濯物をみるみるうちに吸い込んだ
その小さな頭でどうやって収納しているかはわからないが、とにかくスカルはその状態でブルブルと震え始めた
暫くして口を開けると近くにあった大量のバスケットに洗濯物を吐き出した
そして水瓶に汚れた水を吐き出した

「ご苦労。」

ルシアは結果に満足しニヤリと微笑んだ

「おえぇぇ！味わかんねぇし吐き出すもんもねぇけどおえぇぇぇ！」

スカルが大騒ぎするのを無視してルシアはアルトを見た

「さて、あとは干さねばならない訳だが…」

『これを使うよ！』

アルトが取り出したのは洗濯紐
これをそこら中に引っ掛けて干すのだろう
これも面倒くさいのでやらせようかとスカルを見たがショックが大きすぎて失神していた

「チッ…」

ルシアは不機嫌に舌打ちしてやれやれと紐を手にとった

「いいか、私は少し手伝うだけだぞ。ほんとに少し手伝うだけだからな！無駄な手間はかけさせるなよ！」

『手伝ってくれるの？』

「最初に言ってしまったからな。ほら、やるぞ。」

「！」

アルトはすぐに行動に移した
端と端に紐をくくりつけ、洗濯物を括り付けていく
いちいち干す時に台を使わなくてはならないので最初は見ていたルシアだったがやがて痺れを切らして

「もういい！私がやる！貴様は洗濯物の籠を持ってろ！」

と、言ってしまった
勿論すぐに後悔するも時既に遅し
結局面倒臭がっていた物干しもやる羽目になった

「惨めだ…こんなの魔界の奴らに見られたらどうなるか…」

ぶつぶつと悪態をつきつつも30分程で終わらせあとは乾かすだけとなった

「やっと終わった…いつもどれ位かかるんだ？」

『二じかんくらいかな…今日はわりとおおめだったけど。』

「それでも十二分に早いわ。ったく村の連中は何考えてるアホか！否アホじゃなければ何だというのだ…！」

いっそ服を全部焼き尽くしてやろうかと考えたが怪しまれるしやめた

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