冷酷悪魔と筆談少年

寝 ページ12

それからアルトはすぐに眠ってしまった
満腹になったからだろう
あと疲労
アレーの背中でスヤスヤ眠るアルトを横目にルシアは魔界の公務を手早く済ませた

「これで全てか？」

「はい。緊急の案件でも無い限り暫くは仕事は来ないかと…」

「そうか…ふぅ…魔界の防備も整ってきた所だ。休暇とでも思うか…」

「みてみてー…！めちゃめちゃ可愛くない？この寝顔！」

アレーは背中にアルトを乗せてクスクス笑った

「声を小さくしたのは褒めるがあまり揺らしてやるなよ？起きられたら溜まったもんじゃない…」

「ハーイ！」

そう言うとアレーはアルトを乗せたまま隅で大人しくしていた
が、ウトウトし始めたのが災いし、アレーはやがて眠ってしまった

「バッ…！そこで寝たら私が寝室で寝れないだろ！」

「アレー…起きて…」

「ウヒュー…もうタヘラレナイー」

「…駄目ですね。爆睡してます。」

「いくらなんでも早すぎたろ…」

慌てて起こそうとしたものの呑気に寝言を言うアレーにルシアもコレーも溜息をついた

一度眠ったらアレーは中々起きないのだ
どれくらいかと言うと隣に大岩が落ちても起きない

「致し方ない…私が寝室まで連れて行く。今宵は共に夜を過ごす。」

「宜しいのですか？」

「あぁ…お前ももう休め。後のことは任せろ。」

「感謝します…ではお休みなさいませ。」

こうしてルシアはアルトを抱きながら寝室へと向かった

ーーーーー

「あークソ…なんで私がこんな目に…」

全ては己のせいだと言うのにわかっていながら文句を垂れるルシア

(しかししてしまった事はもう取り返しが付かない…その中でどう動くかが今後の自分の運命を変える。ならばうまくやってこいつから何とか逃れてみせようじゃないか！)

ルシアはそう思いながら2人寝たとしてもまだ大きいベッドにアルトを寝かせた
スヨスヨと寝息をたてるアルト
それを見ながらルシアは自分の服を寝巻きに変えた
勿論普通に着替えるのではなく魔法でだ
そしてアルトの隣に身体を滑り込ませる
無防備な様
やわな身体
下手をすれば斬り刻んでしまいそうなその肌に右手でそっと触れてみる
ぷにっと幼体特有の柔らかな感触にルシアはつい何度も突いてしまう

(なんかくせになるな…って何やってるんだ私は！…ともあれ、これからはこいつが死なないようにしなくてはならない…己の死活問題をまるまる抱えたこいつを…！その上で怖がらせ契約解消をさせなくてはならない…頼むからさっさと解消してくれ…)

そう願いながらルシアは深く眠りについた

村への帰還→←ご飯

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す