第五話 ページ6
「西園寺さん、コーヒーお持ちしました。」
「今日はコーヒーの気分じゃない。渋茶もってこい渋茶。」
「そういうと思ってもういれてあります。」
「何っでだよ！」
数日たっても一は変わらず目まぐるしい成績を見せる
何をいってもどんな無茶ぶりをしても完璧にこなす
いまだってこれだ
テキトーにまた嫌がらせで渋茶を頼めばまってましたと言わんばかりに出てくる
何なんだよ！
貴様はエスパーか何かか！
驚き通り越して怖いわ！
たまりにたまった鬱憤を落ち着かせるために私は渋茶を口に運んだ
「しっぶ！」
思わず吹き出す
なんっだこれ飲めんわ！
涙目になりながら私は一を睨み付ける
しかしどこ吹く風と言った様子
「渋茶ですんで。」
「だとしても渋すぎだろーがぁ！」
「おっと……」
茶の入った湯呑みを投げつけてやればビニール袋で華麗に中身ごと拾い上げる
「あ、これ茶菓子です。口直しに。」
「あぁ助かる……うまぁ……！」
スッと出された茶菓子は朝顔の花をあしらった美しいもので味も申し分なく……いや、メチャメチャうまい何これ
「ど、どこの菓子店のだ！買い占めたい！」
「あぁ、手作りですけど。」
「まさかの手作り！？嘘だろ！？」
どんだけ女子力高いんじゃいこいつは！
「気に入りました？」
「あ、あぁ。かなり……」
「そうすか……じゃあまた今度作ってきますね。」
「おぉ……」
ふむ、あの茶菓子明日も食べれるのかー
明日は別のやつがいいなぁ
あれだ、今度は紫陽花がいいな
……って
「ちっがーう！」
「？」
私は頭を振って邪念を追い払った
何を落ちぶれさせられてるんだ私は！
こいつを惨めったらしく見せて庶民が反抗できないようにするのが今回の目的だろうが！
何キチッと助手させてんの？
バカなの？
死ぬの？
って自分にそんなこといってどうすんだアホ！
とにかくこいつのアホ面泣き面拝まなきゃ貴族が廃る！
「一！」
「はい？」
「今度、貴族のダンスパーティがある。庶民は駒使いとしての参加になるが貴族の許可が降りれば踊ることも許される。ダンスは人工知能が厳正に審査し一位をとったものは私が願いを叶えるという事になっている。そこで貴様一位をとれ。貴様が一位になれば願いを叶えなくてもすんで出費が減らせるからな。」
「わかりました。」
ボーッとかわらぬポテンシャルの一
ふん、今のうちに余裕ひけらかしているがいい
我が学園にはトップクラスのダンサーが揃っている
アマチュアのこいつが一位などとれるはずがない！
私は無様な姿が見れると期待して心のなかでクツクツ笑った
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作者名：闇鍋ソース＆ナイフ x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mesemoaLOVE/
作成日時：2019年8月18日 20時
