話 ページ36
リヴァイside
俺はAとともにエルヴィンの部屋に向かっていた。
部屋に入るとクソメガネとエルヴィンはすでにそこにいた。
「揃ったな。話というのは、ウォール・マリア奪還作戦のことだ」
エルヴィンはそう言って一枚の紙を取り出した。
俺たちはそれを覗き込んだ。
「A、すまない。総統が決断した」
そこに書いてあったのは、Aを作戦に参加させないという内容のことだった。
「あ？ふざけてんのか、てめぇ」
Aが言った。
完全にキレたな。
恐らく俺とクソメガネが呼ばれた理由はAを止めるためだろう。
「私を作戦に参加させないだと？冗談じゃねぇ。なんのために私を調査兵団に残した？頼まれたからか？象徴としてだけか？そもそもなぜ私を調査兵団に入れた？」
Aはそう言ってエルヴィンに近づいた。
目が紫を通り越して赤くなりかけている。
血上りすぎだろ。
「私である必要があったか？リヴァイたちだけでも良かっただろ？なぜ私に夢を見せた？なぜ私に空を見せた？なぜ希望を持たせた？」
Aはそう言ってさっきの書類を破った。
エルヴィンは動かない。
「ウォール・マリアを奪還することは私の目的じゃねぇ。私は自由が欲しいんだ。そこまで欲を大きくさせたのは誰か分かってるか？地上に連れ出したお前だろ？」
Aはエルヴィンの机を思い切り叩いた。
エルヴィンはそれでも何も言わない。
「それともお前は責任なんて負えねぇのか？私はここに来なければ壁の外なんて興味すらなかったんだ。地上の世界を夢見るだけで済んだんだ。私の夢をでかくしたお前は、それを叶えさせるのを阻むのか？」
Aはそこで剣を取り出した。
だが、まだ攻撃するつもりはないらしい。
「私は女王の地位などいらねぇ。調査兵団としての地位も、必要ない。私は地位も権力もいらねぇ。ただ自由が欲しいだけだ。お前にはその気持ちが分からねぇのか？」
Aはもう片方の剣も取り出した。
「私の邪魔をするなら、誰であろうと殺す。私は、何が何でも作戦に参加する。私の邪魔をするのが作戦に必要な調査兵だとしても関係ねぇ。だが、今は総統に直談判しに行く。邪魔するなら殺すからな？」
Aはそう言って窓ガラスを突き破って立体機動装置で飛んで行った。
エルヴィンは、やっと動く気になったようだ。
「リヴァイ、ハンジ、Aを止めろ」
俺たちは窓から飛び出した。
俺は総統が間違ってると思う。
だが、殺させはしない。
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作者名：カシオペア | 作成日時：2017年9月16日 8時
