なんなの？ ページ35
Aside
実験は、報告を受けた通りだった。
ウォール・マリアを奪還するために使えるらしい。
確かにこれなら穴を塞ぐことが出来るかもしれない。
でも、なんか違うんだよなぁ。
それをハンジに言うと、こう返された。
「Aはもっと派手だと思ってたんじゃないかな？」
いや、それは絶対違うと思うけど。
あ、分かった！
「私の目的は、自由になることであって、ウォール・マリア奪還じゃないからだ。でも、人類の勝利は大切だと思ってるけどね。自由への大きな一歩になるはずだし」
その時、ヅラヴィンに肩を叩かれた。
なんだよ、ヅラのくせに。
「君は…変わったな」
いや、そりゃそうでしょ？
人は変わるものだしね。
「そうだねぇ。前はもっと自己中で冷酷で、人間性を感じられなかったしねぇ」
私はそう言ったハンジの脛を蹴った。
イラっとする。
「別にそんなことはないでしょ？私はただ目的を達成するためになら手段を選ばないだけ」
それから少し沈黙が続いた。
少しして、ヅラヴィンが言った。
「君に話がある。明日、私の部屋に来てくれ。私と、リヴァイ、ハンジとAだけで会議を行う」
ヅラヴィンはそう言って行ってしまった。
なんなの？
「ハンジ、会議の内容知ってる？」
ハンジは少し考えてから言った。
「きっと奪還作戦のなにかじゃないかな？私も教えられてないんだ。さっきエルヴィンに聞いたばっかりだしね」
私はその後、リヴァイにも聞いてみた。
でも知らないらしい。
なんの話なの？
極秘なことなのかな？
いや、きっとそうだ。
面白い話だといいな。
翌日、私はその期待を見事に玉砕された。
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作者名：カシオペア | 作成日時：2017年9月16日 8時
