結婚式 ページ26
リヴァイside
俺は控え室で歩き回っていた。
落ち着けと言う方が無理だ。
エルヴィンはそんな俺を嫌な笑顔で見ている。
嫌なやつだ。
そんなこんなで時間が来てしまった。
俺は大勢の観客とも言えるような奴の前でAが入るのを待っていた。
Aはなぜかエレンを指名した。
だからAはエレンと腕を組んで入ってくるはずだ。
しばらくして二人が入って来た。
エレンは顔が真っ赤だ。
よし、後で削ぐか。
Aの顔はベールでよく見えないが、髪はどうやったのか知らないが、カールしていて、まとめられている。
すごく歩きにくそうにしているのが分かる。
確かに動きにくそうだ。
少しして、Aが隣に来た。
化粧でもされたんだろう。
いつもと雰囲気が違う。
誓いの言葉は、緊張しすぎて何を言ったか正直覚えていない。
こんなに緊張したのは生まれて初めてだ。
ただ忘れられないのは、誓いのキスをした時に見せたAの笑顔だ。
地下街にいた時にも、調査兵になってからも見せなかった最高の笑顔。
式が終わってから俺たちは人に取り囲まれて動けなくなった。
途中でAが軽くキレて野次馬はいなくなった。
残っているのは調査兵団の仲間だけ。
「ねぇ、これ脱いでいい？動きにくいんだけど」
Aがイラついたように言った。
俺的にはもう少しそのままでいて欲しいが。
「ダメに決まってるでしょ！せっかくなんだからさ！」
クソメガネが言うとAはため息を吐いた。
そして机にもたれた。
「もうこりごりだよ。こんな動きにくい服は初めて。それにこのヒール高くない？なんかのパーティーで履いたやつより3センチは高いよ」
確かに結構なハイヒールだ。
それでキスしにくかったのか。
俺の方が低いから。
なんか屈辱だな。
「リヴァイはかっこいいよ。今は私の方が少しだけ目線が上だけど」
Aが言った。
心を読んだのか？
そんな訳はないか。
「お前も綺麗だ。誰よりもな」
俺が言うとAはフッと笑った。
そして俺に近づいて来て俺の顎を上げてキスした。
「いつもと逆ってのも面白いでしょ？まぁ元々一センチしか差ないけど」
悪戯っぽく笑ったAをクソメガネがど突いた。
「私たちもいるんだけど？二人の世界に入らないでよ」
俺たちはそれからAと俺と親しい奴だけ残って小さなパーティーを行なった。
そして、今は二人で俺の部屋にいる。
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作者名：カシオペア | 作成日時：2017年9月16日 8時
