心配なこと ページ25
Aside
私はヒストリアの横で歩いていた。
ヒストリアと同じような服を着て、歩いていた。
今から戴冠式だか、即位式だか知らないけど、あるらしい。
正式に私はこの壁の王になる。
私とヒストリアの間に優劣はないけど、兵団との結びつきの強いのは私だから実質、私の方が権力が大きいんだと思う。
まぁそんなのはどうでもいいけど。
私はそれより、その後の方が心配だった。
そのなんとか式の後、私は結婚する。
やっと、といったところか。
でも、王になった後だから、おそらく野次馬が大量に来るだろう。
正直、めんどくさい。
しょうがないけど。
私は王冠を被せてもらっている時もずっとそのことを考えていた。
私が我に帰ったのはヒストリアがリヴァイを殴った時だった。
リヴァイの反応を見る前に私は誰かに引っ張っていかれた。
誰かと思えば、ハンジだった。
「早く準備しないと、遅れるよ？あ、遅れますよ？女王様？」
ハンジはわざとらしく言った。
なんかハンジがそんなこと言うと、ちょっと怖い。
「はいはい。分かってるよ。でもさ、そんなに時間かかるものなの？」
私がそう言った時に、部屋に着いた。
部屋の中央には真っ白なウェディングドレス。
綺麗だけど、すっごい動きにくそう。
横には何センチあるのかわからないけど、ヒール付きの靴。
その他いろいろあった。
「これね、私と、ヒストリアと、ミカサと、サシャで選んだんだよ！もう少ししたらみんなが来るからさ。じゃ、ドレス着て！」
着てって言われても、これはどこをどうすればいいのか訳がわからない。
そんな私の表情を見てとったのか、ハンジが急に私の服を脱がせて、コルセットを着け始めた。
「ちょっと、ハンジ？痛いし！きついし！もっと緩めて！」
ハンジは聞く耳を持っていない。
もう少しいけるかな、とか言いながら締め続ける。
「うん。これでいいや。てかAって、意外とナイスバディだね。リヴァイが羨ましいよ。まぁ今はいいや」
そう言った時にみんなが来て、ドレスを着せられた。
予想通り、めっちゃ動きにくい。
踵は高いわ、ウエストは締め付けられるわ、ベールが邪魔で前が見えないわ、酷い状態だ。
「A、めっちゃ綺麗だよ！でもフラフラしないほうがいいと思うけどな」
私はハンジのその言葉に掴みかかってやろうかと思った。
でも今は無理だ。
後で覚えておけ。
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作者名：カシオペア | 作成日時：2017年9月16日 8時
