真実が知りたい ページ13
Aside
私はベッドに腰掛けていた。
この部屋には私とエレンとヒストリアしかいない。
エレンの身代わりはジャンが、ヒストリアの身代わりはアルミンがやっている。
私の身代わりはいない。
それでうまくいくのかと思うけど、私は副兵士長であり、兵士長補佐であり、特別作戦班副班長であり、分隊長でもある。
分隊長としての役職がまだ残っているからには行動を共にしていなくてもおかしくはないと言う考えらしい。
私は暇だから本を読み始めた。
少ししてエレンとヒストリアが夢がどうのと言っている。
夢…か。
私は寝ているに見た夢を、全くと言っていいほど思い出せない。
その日は覚えていたかもしれないけど、それからはもう覚えていない。
すごく重要な夢を見ていた気がするって時があっても、その時は起きた瞬間に忘れてる。
それを覚えていられたら真実に近づけたのかな？
私はどうしても、真実が知りたい。
気づいたらエレンとヒストリアの会話は終わってる。
「エレン、ヒストリア、ごめん。私が何かもっと覚えていたら先へ進むことができたのかもしれないのに。でもね、今は正直、そんなことどうでもいいの」
私は無意識にそう言った。
二人は驚いて私の方を見た。
「私、最低だよね。今私が何考えてるか、知ってる？ジャンとアルミンを捕らえようとしている奴らを殺したくて仕方がないの。もちろん、拷問もするけど、痛い目に合わせてやりたいの」
二人は呆気にとられた顔をしている。
怖がるかと思ったけど。
「でも、それだけじゃない。私は真実が知りたいの。どうしても。どんな手段を講じても。最低でしょう？結局ゴロツキ時代と何も変わってない」
私が言うとエレンは立ち上がった。
そして近づいてきて隣に座った。
「そんなことないです。もし巨人が人間だと言う仮説が本当なら、俺は自由を得るために人殺しをしたくてしょうがない狂人です」
私はエレンの言葉にフッと笑った。
「そうだね。所詮、人間は自己中なんだよね。私の両親もそうだったんだよね」
私がそう言うとヒストリアが顔を上げた。
そうか、私の母違いの妹か。
「でも、私はそんな自己中な親でも、もし目の前に現れたとしたら、私はその人について行っちゃうと思う。無条件に信じて」
もし、そんなことがあるならば、私はそれで真実を知ることができるかもしれない。
そうすれば私の願いが一気に二個も叶うのに。
その時の私は自由なんて考えてもいなかった。
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作者名：カシオペア | 作成日時：2017年9月16日 8時
