自己中だね、ごめん〈arkt〉 (ページ13)

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「「「理想のデートぉ？」」」

驚きの声が3人分重なった。

な、なんだ、その企画は…

収録が始まり、いつも通り企画の内容を知るわけだが…

薮くんがシールをめくった瞬間、
目に写ったのは「デート」の三文字。

そして冒頭に戻る。

「…女の子が喜ぶ理想のデートを教えてください、って…なんでこのメンツなんだよ…」

苦笑して困ったように頭を掻く薮くん。
それを隣でみて確かに、と思った。
こういうのは普通山田とかじゃねぇの？
…そういうのが得意な3人ってわけでもないし

でも…

ちらっと圭人をみるとどうしようか、と
眉を顰めて考えていた。

……様になるな…悩んでる姿も…

……………………いや、違う違う違う。

見とれてる場合じゃない。
はっと我にかえると、すぐに俺もどんなデートにしようかと考えることにした。

3人とも少し深刻そうな顔をすると、
ケケケが何かおみくじのようなものをだしてきた。

「…なんですか、これ」

圭人がきょとん、とした顔でそれを受け取ると見たことがあるような気がする

…これ、前にひかと山田と裕翔がやってた結婚式のときに役割決めたときのやつ？

「これで男性役と女性役と街人A役きめてください。プランはこっちである程度決めてきたので、それで女性役の方がときめくかどうか試してもらいます」

だからそんな深刻な顔しないでください、
とにこにこ笑顔のケケケ。

「え？ちょっとまって、俺とか薮ちゃんも女装するってこと？」

圭人がびっくりしたような顔でケケケに聞くも当たり前のように頷かれてがくり、と肩を落としてた。

「…だから、大ちゃんいれたのね…。これで髙木とかだと、割ときついからな。
前の結婚式のやつも大ちゃん可愛くなってたし」

薮くんが困ったように眉を下げて小さなため息をつく。

…薮くんと圭人の女装…
この番組って女装するとき結構本気で化粧してくれるから、ちょっと、楽しみ、かも

「まぁまぁまぁ！せっかくだし楽しもう！
身長とか関係ないって！裕翔も可愛くなってたし！」

気が落ちている二人をよそに俺が棒を1本手に掴み、「はやくはやく」と目で急かすと二人は顔を見合わせてから残りを掴んだ。

「…………女の子役でもいいから街人いやだな」

すごい真顔で隣にいる俺にしか聞こえない大きなでつぶやく圭人にくすっと笑ってしまう。

「じゃあ、ひくよ」

薮ちゃんの声に手に力を入れ、

「「「…せーの！！！」」」