この声に想いを込めて~2nd season~ (ページ37)

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翔「ね、じゃあ俺も一つ気になること聞いてもいい？」

「え、うん。なに？」

翔「Aは、一人でいるのと、みんなでいるの、どっちが好き？」

「え？」

ドキッとした。

翔「ほら、前はよく一人でいるの見かけてたから、どっちなのかなぁって」

「……」

バクバクと鼓動が速くなる。

ついに、きたのかもしれない。

あのことを話す時が。

翔「あ、純粋な質問だよ。だからそんな考え込まなくていいよ」

明らかに表情が硬くなったであろう私に何を思ったのか、早口で言う翔くん。

「、ううん、その、なんていうか……」

付き合い始めて1ヶ月ちょっと。

最初は大きかった緊張も、少しずつ解けていって。

少しずつ、自分のことを話すことが増えていって。

……今ならもう、言えるかな。

考え込まなくていいって言った翔くんは、こんな重い答えが返ってくるなんて思ってないだろうけど。

嘘ついたり、誤魔化したりはしたくない。

話そう、とスッと息を吸い込んで、横を向いた。

けど。

どこかよそを見つめる翔くんの横顔が目に映って、吐き出しかけた言葉を飲み込んだ。

「……？」

どうしたんだろう、と翔くんの視線を辿ってみると。

「あ、」

翔「……あっ、ごめん」

思わず出た私の声に、我に返った様子の翔くん。

「上田さん、」

翔「……うん」

翔くんは苦笑いで頷いた。