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文化祭の準備をした後で、少しずつ日が落ちていく夕暮れ時。
川沿いののどかな雰囲気に、つい時間を忘れてのんびりしてしまう。
そんな中でも、私は少し気にかかっていることがあった。
「……ね、翔くん」
翔「ん？なに？」
「あの、すごい突然なんだけど、」
翔「うん」
「…………私の声、ってどう思ってる？」
少し悩んでから、それでもやっぱり聞いてみた。
翔くんと話すようになったばかりの頃は気にしてたけど、翔くんと話す機会が増えるにつれて、いつしか気にしないようになっていて。
でも前野さんに、この声を可愛いと言ってもらってから、翔くんが実際どう思ってるのか急に気になりだしたんだ。
翔「へ？え、声？」
予想通り、素っ頓狂な声を上げる翔くん。
「ごめん、変なこと聞いて、」
翔「え、いやそんなことないけど、あの……」
「、うん」
翔「その、可愛いなぁって、割と前から思ってはいるけど……え、合ってる？俺の答え」
「あ、うん。あの……ありがと」
翔「うん。なんか、照れるな」
翔くんが恥ずかしそうに手の甲で口を隠す。
「ごめんほんとに、急に変な質問して」
翔「いや、それは大丈夫だけど。どうしたの？」
「ううん、ちょっと気になっただけ」
翔「そっか。……でも、ほんとに俺、Aの笑い声とか好きだよ。いつも楽しそうに笑うじゃん」
「、そうかな？」
翔「うん」
「……ありがとう」
そう言うと、翔くんはこっちを見てにこっと笑った。
そっか。よかった。
好きな人にそう言ってもらえて。
コンプレックスがなくなるわけではないけど、心が格段に軽くなった。
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作者名：さくらこ | 作成日時：2019年6月23日 17時
