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七海「ほんとかわいい。私、中原さんにアリス描いてもらいたい」
「え？」
七海「廊下の壁にでっかく描くの」
「え……私が？」
七海「だってこんなかわいいアリスだったら看板娘になるもん」
「、看板娘って……ふふっ」
前野さん面白い。
思わず声を出して笑ってしまった。
七海「え、ダメかな？」
「……看板娘になるかは分からないけど、でも前野さんがそこまで言ってくれるなら」
七海「描いてくれる？」
「うん」
頷くと、前野さんは嬉しそうに笑った。
七海「へぇ、中原さんってこんな可愛い絵が描けるんだね」
まじまじと私が描いたアリスを見るから、恥ずかしくなる。
七海「そういえば、櫻井くんはなんで中原さんが絵上手なの知ってたの？」
「あ、えっと……」
なんで、と言われると……
「私が絵を描いてるところをたまたま見られた、というか」
七海「へぇ、そうなんだ」
「うん」
七海「櫻井くんって人と仲良くなるの上手なタイプだよね」
「え？」
七海「そんな感じしない？」
そう……かも。
じゃなきゃ私に話しかけてこなかっただろうし、私も話したいって思うこともなかったと思う。
でも前野さんが翔くんのことをそう思うってことは、私だけじゃないのかな。
胸の奥がちょっとチクッとする。
「……前野さんは、どうしてそう思うの？」
私はあくまでさりげなく聞いてみた。
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作者名：さくらこ | 作成日時：2019年6月23日 17時
