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七海「じゃあ、何から決めていこっか」
テーブル席に向かい合って座って、いざ話し合いを始める。
七海「テーマはアリスのティーパーティなんだよね」
「うん」
七海「中原さん、アリス描ける？」
「え……私？」
七海「廊下に面した壁には絶対アリスの絵があった方がいいと思わない？」
「あぁうん、そうだね」
七海「そうだ、今からそれぞれアリスを描いてみようよ。私、中原さんがどんな絵描くのか見たい」
ということで、それぞれにアリスを描いて見せ合うことになった。
不安や緊張や嬉しさが混在してて、まだ上手く言葉を返せない私。
この前まで夏休みで、気にせずに済んでいたコンプレックスは、やっぱりなくなってないことを実感する。
そんな私に対して前野さんは、どんどん言葉を振ってくれる。
そういえば、翔くんとも初めはそんな感じだったっけ。
休み時間に翔くんがよく話しかけてきてくれて、それで少しずつ喋るようになっていったんだよね。
懐かしいなぁ。
……前野さんとも、声を気にしないで話せることかできたら。
その時はきっとまた一歩前に進める。
七海「描けた？」
「うん」
七海「じゃあせーので見せよう」
「うん」
七海「せーの！」
手元の紙を、前野さんの方へ向ける。
七海「えっ、中原さん上手い！」
「前野さんも」
前野さんが描いたアリスは、実写版のアリスって感じ。
どっちかっていうと智くんよりの絵を描くのが好きなのかも。
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作者名：さくらこ | 作成日時：2019年6月23日 17時
