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正直不安もある。
前野さんがどういう人なのか、よく知らないし。
上田さんとみたいにならないかって思ったりもする。
倉岡くんや立木さんとは仲良くなれたけど、あれは完全に翔くんのおかげだから。
私一人ではやっぱり……
でも、翔くんがせっかく作ってくれた機会だもん。
頑張らなきゃ。
七海「中原さん、行こっか」
「あ、うん」
放課後。
前野さんと一緒に教室を出る。
七海「駅前のカフェで話そうと思ってるんだけどどうかな？」
「うん、いいよ」
学校帰りに一緒に寄り道って。
なんか、嬉しい。
「……今日、美術部は？」
七海「今日は休み、というか、美術部って水曜以外は特に活動日が決まってなくて」
「そうなんだ」
七海「うん。好きな時に来て描いてって感じなんだ」
自由でいいでしょ？と前野さんが笑う。
七海「中原さんは部活は？」
「あ……私は何も入ってない」
七海「あ、そうなんだ。……じゃあ美術部はどう？」
「、え？」
七海「絵好きみたいだから」
「あ、うん、そうだけど、」
七海「見学だけでもどうかな」
「、えと……」
七海「あ、ごめん、強制はしない。気が向いたらでいいよ」
「、うん」
いくら好きな美術の部活とはいえ、〈部活〉はやっぱりハードルが高い。
でも、行きたいって言った方がよかったかな……
前野さんと距離を縮めるチャンスだったかも。
けど何でもかんでも、仲良くなるチャンス、友達作るチャンスって思って頑張るのも、違うというか、疲れちゃう気するし……
頑張りたいけど、その線引きが難しい。
翔くんとはどんな風に距離を縮めていったんだっけ……
そんなことを考えてるうちに、駅前のカフェに着いてしまった。
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作者名：さくらこ | 作成日時：2019年6月23日 17時
