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今月末に行われる文化祭。
私のクラスは喫茶店をやることになって、その準備の役割分担を、昨日の帰りのホームルームで決めたんだ。
去年はその他大勢みたいな感じで、その時々に〈これやって〉と頼まれたことをやって、なんとか大きな行事をやり過ごした私。
今年はどうなるかな…と少し期待しつつ、結局去年と変わらないだろうなぁなんて思ってた。
〈はい、じゃあ次、デザイン担当！二人だけどどうしよっか〉
〈七海ちゃん、美術部だよね？〉
〈うん、私やってもいいよ〉
〈お、じゃあ前野よろしく！ってことで一人決定、あともう一人誰かできるやついねぇ？〉
教室に飛び交う声を、ただぼんやりと聞いていた時。
〈はい！俺、中原がいいと思う！〉
.
「急に推薦されたからすごいびっくりした」
翔「だよな、ごめん」
「あ、ううん違う。嬉しかったの、私」
慌てて首を横に振る。
「私なんかを推薦してくれて」
翔「だってAの絵ほんと上手いじゃん」
「そんな……でも、ありがとう」
翔くんが私を推薦してくれて、クラスのデザイン担当になって。
なんだか少しずつクラスの一員になっていけるような気がして嬉しくなったの。
大きな行事に、ちゃんとクラスの一員として参加できる、って。
翔「大丈夫ならよかった」
「うん」
翔「前野とはもう話してるの？」
「あ、今日の放課後、早速話そうって言ってくれて」
翔「そっか、頑張って。Aのデザイン楽しみにしてる」
「うん。ありがとう」
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作者名：さくらこ | 作成日時：2019年6月23日 17時
