この声に想いを込めて~2nd season~ (ページ22)

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智「櫻井くんはサッカーが好きなんだよね？」

翔「あ、はい。小学校の頃からずっとやってて」

智「すんごい上手だってAが言ってた」

翔「え、」

「ちょ、ちょっと智くん！」

キッと睨むと、智くんがふふっと笑う。

もう～、恥ずかしいから言わないでよ……！

翔「……、あの、言うほど上手くはないんですけど、もしよかったら今度試合観に来てください」

智「え、いいの？観に行きたい」

翔「日程とか決まったら、中原に伝えるのでぜひ」

智「ありがとう。A、俺も観に行ってもいいよね？」

「、うん、いいけど」

智「じゃあ楽しみにしてるね」

智くん、サッカー詳しくないけど大丈夫かな。

私が買った初心者向けのサッカー観戦本をこの前見せた時、〈えぇ、むず。これほんとに初心者向け？〉って言ってたし。

でもまぁ、櫻井くんがサッカーしてるところを見たいだけだろうし、いいのかな。

大学構内を少し歩いて、着いた食堂の建物。

お昼時だから、ものすごく混雑してる。

智「席探すの大変かもしれないけど、頑張って」

「ありがとう」

翔「案内してくれてありがとうございました」

智「いいえ、こちらこそありがとう」

翔「……え？」

智くんの言葉に、櫻井くんが首をかしげる。

智「Aのこと、これからもよろしくね」

「智くん……」

智くんの優しさに、私は思わず泣きそうになった。