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「え、花火大会、」
忙しいだろうから聞けないと思った矢先のお誘い。
翔「あ、でも予定あるなら、しょうがない。ごめん、今の忘れて」
気にしないで、と笑う櫻井くん。
え、待って。
話終わらせないで。
「あの、花火大会って夜、だよね？」
翔「あーまぁうん」
「私、日曜日、オープンキャンパスに行く予定なんだけど、それ昼間だから……その、花火大会、私も一緒に行きたい」
私は慌てて、思ったことを一気に伝えた。
翔「え、ほんと？花火大会行ける？」
「うん、行きたい」
頷くと、櫻井くんの顔がパッと華やいだ。
翔「やった！てか、中原、もう大学のこと考えてんだね。すごいなぁ」
「、まだ全然だよ。とりあえず見に行こうかな、って」
翔「オープンキャンパスかぁ……。どこの大学に行くの？」
「えっと、美術系の大学に」
翔「美大かぁ！そっか、中原絵好きだもんね。すげぇな」
「そんな、」
すごいすごいって言われて、ちょっと恥ずかしい。
翔「そのオープンキャンパスは一人で行くの？」
「あ、うん」
翔「そっか。……ねぇ、それさ。俺も行ったらダメかな」
「え？」
びっくりして、私は思わず隣を向いた。
翔「いやさ、オープンキャンパスってどんな感じなのかなって興味あって」
「……美大、だけどいいの？」
翔「うん。あ、ごめん、中原が嫌か。絵とか全然ダメな俺が行くの」
「え、ううん、私はいいけど」
翔「じゃあ一緒に行ってもいい？」
「うん」
まさか、櫻井くんが美大のオープンキャンパスに行きたいって言うなんて。
驚いたけど、でも来週の日曜もまた一日一緒にいられる。
新しくできた楽しみに胸が弾んだ。
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作者名：さくらこ | 作成日時：2019年6月23日 17時
