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翔「ごめんね、その、急に電話して」
「ううん」
翔「もしかして困ってるかなって思ってさ」
「あ……」
翔「嫌だったら全然断ってくれていいからね？」
「あ、いや、嫌というかその……」
翔「うん」
「……大丈夫かな、って思って」
はっきり言えなくて含みのある言い方になっちゃったけど、櫻井くんは櫻井くんなりに意味を汲み取って納得してくれたらしい。
「あーうん、心配だよね」と返ってきた。
翔「倉岡はまだしも、あいつの彼女とは初対面だもんね、中原」
「……うん」
彼女さんはもちろんだけど、倉岡くんのことだって、正直あんまりよく知らない。
どう思われてるか不安で仕方ない。
ていうか、なんで誘ってきたんだろう。
倉岡くんたちにとってせっかくのデートに、私たちを誘うなんて。
何か思惑があったり……
翔「中原？」
「……あ、ごめん」
頭の中で考えてたら、無言になっちゃってた。
翔「俺もさ、断ろうかと思ったの。付き合って初めてのデートがダブルデートってどうなのかなぁって」
「うん」
翔「でも、倉岡が中原と話してみたいって言うし、せっかく誘ってくれたから一応中原に聞いてみようと思って」
「……倉岡くんが、私と？」
翔「うん。話したことないから話したいって」
「え……」
余計不安になってきた。
翔「そんな構えなくても大丈夫だよ。同じクラスで、俺の彼女だから話してみたい、くらいのことだから」
「、うん」
翔「どうする？行く？」
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作者名：さくらこ | 作成日時：2019年6月23日 17時
