検索窓
今日:18 hit、昨日:4 hit、合計:36,173 hit

してくれねーの? ページ46

更に熱くなった顔に、戸惑いを隠せない北山は固まったまま藤ヶ谷の質問には答えなかった。藤ヶ谷は催促を送るように可愛らしくコテンと首を傾げて北山の事を見つめる。我に返った北山はそんな愛らしい藤ヶ谷の顔を見ないように顔を背けて質問に答える。

  K「……勝手にすればいいんじゃねーの!」

恥ずかしさを隠すためか不機嫌そうにぶっきらぼうに言い放った。質問に答えた北山を無視して藤ヶ谷は北山の顔を自分の方に向かせ、目を合わせさせる。そしてじわりと汗をかいている北山のおでこに藤ヶ谷自身のおでこをくっつけて口を尖がらせた。

  F「可愛くお願いしないとしてあげませーん」

  K「……なっ!」

キングの藤ヶ谷は焦らしを入れる。相手が望んでいることを簡単にしてあげない藤ヶ谷はまるで小悪魔のようだった。そんな藤ヶ谷の罠にハマった北山は酷く物欲しそうな目で顔を引きつる。藤ヶ谷は北山の表情を見ると再び微笑んだ。

  K「してくれねーの?」

眉を下げながら上目遣いをする北山に藤ヶ谷は胸打たれる。大きく息を飲んだ藤ヶ谷は北山の可愛らしい顔に負けて、勢いよく北山の唇に吸い付く。いきなりキスされた北山は驚いた様子で目を見開いていたが、すぐに目を細めてキスを味わう。

キスは唇だけではおさまり切れず、藤ヶ谷の舌が北山の口の中をかき回す。呼吸が困難になった北山は息を荒くして、それに応えるように舌を動かす。北山の口におさまり切れなかった唾は北山の口の端から溢れ、顎まで滴り落ちる。

  K「……ん、あ。……っ……」

北山は声を漏らすほど気持ちが高まり、藤ヶ谷の首の後ろで手を組み藤ヶ谷を離さないようにする。それが嬉しくて藤ヶ谷の行動は大胆になっていく。藤ヶ谷も北山の背中に腕を入れて、更に自分に密着させる。


その後は、静かな部屋では北山の声と藤ヶ谷の荒々しい息遣いだけが響いていた。

月光に照らさせながら、二人のいる空間は静寂が訪れていた。汗は先程よりは乾いていて、ぼっーと天井を揃って見つめている。息は収まっていたが、目はまだ欲が滲んでいた。

藤ヶ谷は探り探りに北山の手を見つけると、指を絡めて握る。北山は何も言わず、藤ヶ谷の手を握り返した。少し手汗が残っていて、温もりが温度を上げる。

  F「……寝たくないな、」

  K「……なんで?」

ポツリと零した藤ヶ谷を拾うように北山は藤ヶ谷に問う。彼は少し黙ったが、すぐに口を開いた。けれど気まずそうに口をまた閉じた。藤ヶ谷の様子を察した北山は再び先程よりは優しい声で聞き直す。

『ありがとう』→←じゃあ、こっちにする?



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (69 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
158人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:supia | 作成日時:2021年9月23日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。