アザミ ページ23
K「お、おま、お前、何すんだよ!」
声を荒げ、明らかに怒りを露にしていた。けれどたじたじに顔を林檎のように染めている北山に言われても藤ヶ谷は全く怖がらず、逆に彼を興奮させていた。
またその可愛らしい声を聞きたくなった藤ヶ谷は再び北山に近づく。
その顔は獣のように男の欲に染まった顔だった。
ふにっと唇に何かが触れると目の前が真っ白になった。藤ヶ谷は北山の膝の上に乗っていた兎とキスしていた。
F「……なっ!」
慌てて口を離して袖で唇を拭う。北山に返り討ちを食らった藤ヶ谷は軽く彼を睨む。
けれど北山はそれより鋭く藤ヶ谷を睨んでいた。数分睨みあっていると北山が呆れたように口を開いた。
K「……なんちゅう顔してんだよ……」
F「だって、北山が気緩め過ぎてて悪戯したくなってさ、」
K「それでも普通同性にそんな顔しないだろ、」
F「……どんな顔に見えた?」
また藤ヶ谷は北山に顔を近づけ、斜め下から北山を見上げるように見つめる。
そんな藤ヶ谷のイケメンパワーに負けて、その顔に吞み込まれていた。
また静かに見つめ合う。それが恥ずかしくなってきた北山は藤ヶ谷の顔をどけてそっぽを向く。けれど北山の耳は赤くなっていた。
その瞬間藤ヶ谷の身体が奮い立たせる。北山の背中にそっと手を伸ばそうとしたところで、北山が勢いよくこちらを向く。
それに驚いて藤ヶ谷はとっさにその手を下げた。藤ヶ谷の方を向いた北山。けれど全く目を合わせないようにしながら口を開く。
K「……お、お触り禁止。俺から半径二メートル離れる事、」
北山は顔をまた林檎のように染めながら目を逸らし、口を尖がらせて言う。
制限を出されてしまった藤ヶ谷は「やり過ぎた」と少し落ち込んでいた。
そんな二人の世界に入っている二人を見て、二階堂と千賀は口を開けたまま硬直している。
ふれあいコーナーから出た後、藤ヶ谷は二メートル離れながらもじりじりと距離を詰めて行った。
行き過ぎると怒られてしまったので、ほんの少しづつゆっくりと。
どうしても近づこうとする藤ヶ谷を見て北山は照れ臭そうに困り顔になっていた。
けれど動物園を思いっきり楽しんでおり、そんなことは北山の頭からすっぽり抜けていた。
二階堂と千賀は、北山が楽しそうにしているのに釣られて笑顔になる。
けどたまに見せる藤北の破壊力に頬を赤くした。
閉園時間まで遊んでいた身体は車に乗り込むとどっと疲れが押し寄せてくる。次の運転は藤ヶ谷で、助手席は北山になった。
静かに車は走り出す。
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作者名:supia | 作成日時:2021年9月23日 1時