ブッドレア ページ18
待ち合わせは二階堂のマンションの駐車場だった。藤ヶ谷は汚れたくないのは半面、北山にかっこいいと思って欲しいという気持の方が強く、ナチュナルで大人っぽい服装にした。
ゆるっとしていて袖は肘まであり、黒に柄は無くそこに金色のリングのネックレスを輝かせる。ズボンも同様にダボダボしていて、靴に触れるぐらいの長い丈で、色は淡いミルクだった。
腕にもリングを付け、もう片方には少し高そうな時計を見せびらかす。靴はサンダルを選び、何とも藤ヶ谷らしい服装だった。
一応アイドルという事なので、目が見えないほどの黒いサングラスをかけて、バックは小さく斜め掛けの物でカッコよさを目立たせられる。
約束時間にはまだ早い。けれど藤ヶ谷は今もなお二階堂と北山は二人っきりという事に対抗心を抱いており、勝負顔で力強くドアノブに手をかける。
2「あれー!ガヤさん!大分早くない!」
藤ヶ谷を見つけた二階堂は驚きながらも嬉しそうに彼に駆け寄ってきた。さっきまで二階堂と話していた北山は少し眉を下げながら、藤ヶ谷を見据えている。
F「……いや、思った以上に準備が早く終わって、」
2「なんだか言ってガヤさんが一番楽しそうじゃん!」
F「そんな事ねぇよ、」
2「だってこんなにお洒落してきちゃってさ〜……あ、」
二階堂は何かを思いついた瞬間、にやりとした顔に変わる。すると顔を近づけるがそれは横にずれ、藤ヶ谷の耳元に口を寄せて、呼吸が普通に聞こえる距離だった。
2「みつにプロポーズ?」
F「……は!な、なわけ!」
藤ヶ谷は顔を赤くして二階堂から二、三歩離れる。それを追うように二階堂は更に茶化しを入れる。「そんなあかくなっちゃって〜、もしかして図星?」なども言われ、藤ヶ谷はどんどん逃げるように離れていった。
いつからか追いかけっこのようになり、二人は楽しそうな笑顔で走り回る。その二人を見ていた北山の心はもやもやでいっぱいだった。自分でも何故この感情になっているか分からない。
K「……俺もお洒落してきたのに、」
自分の服を引っ張りながら北山は俯いた。その服装は丈の長めの白Tシャツに藍色のジーンズは、ぴっちりしていて足の細さを目立たせている。
そこに白いスニーカー、そして片腕には少し太めの黒いリングに淡い青色のサングラスを襟にかて、いつもの北山よりは少し大人の良さを出していた。
その後千賀も到着して、運転席に二階堂。助手席に千賀、後部座席に藤ヶ谷と北山が一人分開けて座っている。
車はウキウキした雰囲気で走り出した。一人を除いて……。
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作者名:supia | 作成日時:2021年9月23日 1時