スターチス ページ12
こんな状況なのに素直に受け入れてしまう藤ヶ谷は、本当に北山の事を愛していたのだと分かる。けれど一応この状況を整理するため藤ヶ谷は呼吸を整え、北山に向きなおす。
F「ごめん。今って何月何日の何年だっけ?」
K「……はぁ?お前どうしちゃったんだよ」
F「いいから!教えてれ!」
北山の肩をがっしり掴んだ藤ヶ谷は北山を真摯に見つめる。そんな藤ヶ谷に戸惑いながらも北山は少し照れた顔になって、目を逸らしながら藤ヶ谷の質問に答える。
K「……2021年の6月25日でお前の誕生日だよ!」
と言い放った北山は藤ヶ谷の腕を無理矢理解き、横尾の方に逃げる。そんな北山を横尾は優しく抱きしめ慰める。北山の言葉を聞いた藤ヶ谷は考えを巡らす。
自分はタイムスリップしてきたのでは無いかと思う。でもそんなの有り得ないと思うが今自分がいるのは四ヶ月前で北山は生きている。
もしかしたら俺が四ヶ月前に戻りたいって言ったから?それでタイムスリップしたのかもしれない。けれどタイムスリップは車に引かれそうになったりして衝撃的にくるものじゃねぇのか?
俺はここに行きたいって宣言しちまってるし、もしかしたらタイムリープの方かも。そしたらいろいろ試してみねぇと駄目だな。
そう決断した藤ヶ谷はソファーから立ち上がり戸惑うメンバーを置いて楽屋を出て行く。そんな藤ヶ谷を少し心配した目で見つめるメンバー達だった。
楽屋を後にした藤ヶ谷はスタスタと屋上を目指す。その理由はタイムリープと言ったら屋上だからという安直な考えだった。階段を上がって行って屋上の重い扉を開ける。
その瞬間風が一気に押し寄せて来て、髪の毛が激しく揺れる。そんなことはお構いなしに藤ヶ谷は屋上の真ん中に立つ。
F「2021年9月17日金曜日に俺を連れってってください!」
神にすがるように藤ヶ谷は空に思いっきり手を伸ばす。少し時間が経っても何も起きないので藤ヶ谷は不思議に思い、手を下げようとしたとき藤ヶ谷の身体が光に包まれる。
F「おっ!マジで起こった、」
知っていたが本当に起こると思わなかったのか驚きの声を出す。そんな藤ヶ谷を置いて光たちは彼の身体の周りを舞いながら、空へ光が吸い寄せられる。それと同時に藤ヶ谷の身体が浮き始める。
F「うわっ、なんだこれ!」
抵抗できない藤ヶ谷はどんどん宙に舞っていく。そして眠くなったのか藤ヶ谷は再び目を閉じると周りにいた光が線香花火のように火花になって、乱れて行く。また、煙と共に藤ヶ谷は姿を消した。
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作者名:supia | 作成日時:2021年9月23日 1時