ペンタス ページ11
ただの呟きは空気になることはなく心の中に残っていた。すると急に藤ヶ谷の身体が光り出した。
その輝きはとても淡く、ふわふわと浮かんでいた。
F「えっ、なにこれ……」
当然自分に何が起こっているか分からず、戸惑いの声を出す藤ヶ谷。
けれどその光が心地良く感じた藤ヶ谷はベットに顔を埋める。だんだん目が細くなり、目を閉じる。
するとさらに光は輝き始め、一つの照明程度の光になった。藤ヶ谷の身体が宙に浮き、パチパチと線香花火のような火花が飛び散り、煙と共に藤ヶ谷は姿を消した。
現在:2021年 ９月25日 土曜日 9:30
北山死亡日:2021年 ９月21日 火曜日 21:15
？「……っや！……じがや！藤ヶ谷！」
F「……っわ！！いでっ！？」
？「いだっ！？」
誰かに強く揺すられて勢い良く飛び起きる。するとおでこに痛みと鈍い音が響き渡る。
F「……いってぇー」
？「それはこっちのセリフなんだが」
まだ目が覚醒しておらず、周りがぼやけているのか目をこすりながら何とか目の前の人物を見る。そこにいたのはまさしく北山だった。
F「……は！？お前なんでここにいるんだよ！」
K「いや、なんでって…楽屋だしいてもおかしくないだろ、」
F「いや、そういう事じゃなくて……」
藤ヶ谷の言動に首を傾げる北山。その姿を見て藤ヶ谷の心に何かが刺さる。けれど今の状況が理解できない藤ヶ谷は周りを見渡す。そこはいつもの楽屋でまたメンバーが呆れた顔で自分たちを見守っていた。
F「……何がどうなっているんだ」
混乱のあまり心の声を口に出してしまう。けれどそんな藤ヶ谷を置いて行って北山は、すっと立ち上がりいつもの席に戻ろうとするのを藤ヶ谷は慌てて北山の腕を掴む。
K「……！何……」
北山はいつも通り藤ヶ谷に対して冷たかった。けれど、その目は何かを期待しているような感じだ。
藤ヶ谷は北山の腕をとっさに掴んだものの何したらいいのか分からず、そのまま硬直する。
けどその掴んだ腕は温かく、北山が生きていることに実感したのか藤ヶ谷の目が潤う。その藤ヶ谷を見て北山は「やり過ぎた」という顔をし、藤ヶ谷の元にしゃがむ。眉を下げて申し訳なさそうにしてる北山を見て、藤ヶ谷は思わず吹き出す。
K「っな！お前人の心配を！」
笑っている藤ヶ谷に馬鹿にされたと思った北山は少し頬を膨らませ、藤ヶ谷を睨む。そんな北山を見て目の前にいる北山は幻想ではなく、本物だと再び思い知らされる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 158人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：supia | 作成日時：2021年9月23日 1時
