［113］ ページ21
.
▽ 主side ▽
｢じゃあ僕、荷物運びに来ただけなんで｣
集まってきた音駒メンバーの中に埋まるのもちょっと嫌なので、そう言ってその場を去ろうとすると。
パシッと、隣にいた福永さんから腕を掴まれた。
｢へっ？｣
｢2年、福永招平｣
｢福永が自分から自己紹介なんて、珍しいねぇ〜｣
あ、喋った。
やっぱり、先輩だったのか。
て言うか、トサカさん…じゃなくて、クロさん煩い。
｢あっ、えと。僕、1年の水宮 Aです｣
｢A｣
福永さんは、僕の名前を一旦繰り返すと。
コクっと頷いて、腕を掴んでいた手を離してくれた。
不思議な人だなぁ、と思って今度こそ烏野の皆の所に戻ろうとする僕の目の前には。
何故か、クロさんが立ちはだかっていた。
何かさっきから、絶妙に邪魔してくるな、この方。
｢…えっと？｣
｢俺、3年の黒尾鉄朗。宜しくね〜、Aくん｣
そう言ったクロさんは、にっこにこの笑顔。
｢宜しく、お願いします｣
僕はそう返して、差し出された手を握った。
何でこういつも、他校の色んな人達に絡まれるんだろうか。確か青城の時もそうだったし、今日以降もずっとコレ、続く気がする。
｢…クロ、Aのことそろそろ返してやんなよ｣
｢はいはい。じゃ、練習試合宜しくね〜｣
クロさんは研磨の言葉に渋々僕の手を離してくれた。
研磨に感謝の意を込めて視線を送ると、はァ、と何故かため息をつかれる。
何でやねん、と心の中でツッコミつつ僕は今度こそ その場をあとにした。
因みに、烏野の皆の所に戻れば何故か凄い先輩達から心配された。その時の先輩たちの心配ようは、例えれば子供を誘拐された両親の反応、みたいなものだった。
＊
そして、試合前。
僕は特にすることもないので、音駒の円陣をぼーっと眺めていた。
｢俺たちは血液だ。
滞りなく流れろ。
酸素を回せ。
�倏将瓩�、正常に働く為に｣
｢かっ…かっこいい…｣
音駒の円陣を聞いて、思わずそう口に出してしまう。傍にいた蛍には｢マジか…｣と言わんばかりの目で見られたけれど、そんなの関係無い。
本当に、死ぬ程かっこいいと思ってしまったのだから。
｢烏野もあーいうの欲しいな〜｣
｢なんて言うの？�牴ν有瓩暴召─△箸�？｣
｢割とあり｣
｢…嘘デショ｣
｢よーし、並ぶぞーー｣
2人で話していると、澤村さんからそう言われたので。僕らは話を中断して、エンドラインに整列したのだった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 865人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆん(プロフ) - おもしろくてすぐに読み終わりました(о´∀`о)続きが気になります😃更新頑張って下さい(*´∇｀*) (2022年7月6日 12時) (
レス) id: d0dd043faf (このIDを非表示/違反報告)
naonao(プロフ) - 更新待ってます！！！ (2021年10月29日 14時) (レス) @page37 id: d20e044f3d (このIDを非表示/違反報告)
MiSo(プロフ) - 続き楽しみにしています！！更新停止中ですが、再開したら無理せずに頑張ってください！応援しています！ (2020年7月12日 0時) (レス) id: 78c105b37d (このIDを非表示/違反報告)
ミューナ(プロフ) - お気に入り登録が819になってる…！ (2020年5月4日 8時) (レス) id: d5974347c1 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜 - 面白いです(*^^*)合宿の話とかすっごい気になります！更新頑張ってください、("⌒∇⌒") (2020年4月28日 15時) (レス) id: d570b5d827 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヒマリ | 作成日時：2020年4月27日 23時
