episode*27 ページ32
***
----放課後---
ガラッと生徒会室のドアを開く。
「待っていました、A君」
『…はい』
レイン先輩に促されるままに、生徒会室の椅子に腰掛ける。
「お茶でも飲みながら話そうか」
『ぁ、ありがとうございます』
レイン先輩は2人分のお茶を注いでくれた。
相変わらず、穏やかな笑みを浮かべていて、優しい。
かっこよくて優しくて強いとか最高だ。きっとモテるんだろうなぁ。
そんなことを考えながら、お茶を飲む。
冷たいお茶だ…前の世界の綾高っぽいな。
『美味しいですね』
「あやだか、ていうお茶です。僕、結構好きなんですよ」
『…』
あ や だ か !
なんてネーミング…前の世界と少しだけシンクロしている…
「A君は好きな方とかいますか?」
『へ!?』
まさか先輩からそんな話題が出されるとは…
『好きな人、ですか…』
…脳裏に、あの白色の髪の少年が過った。
それだけで少し鼓動が早くなった気がした。
…何を考えてるんだ、三十路よ。相手は、当時おそらく12歳くらいのショタだ。
『い、いえ…いません』
「クスッ 嘘はいけませんよ?」
『ッ!!』
見透かされてるみたいで、恥ずかしくなる。
…そのとき、フッとレイン先輩の笑顔が消えた。
『?』
「そろそろですかね」
『??何がです…か…
――!?』
…一気に力が抜けていく感覚がする。
体が思うように動かない。
椅子に座っていられなくて、がシャンという音を立てながら、地面に倒れる。
『え…あれ……』
「A君、大丈夫ですか?」
『…っ!』
信じられない。
なんで、
なんで貴方が、
そんな邪悪な笑みを浮かべているのか…。
「怪我は無いようですね」
そう言いながら、レイン先輩はゆっくりと私に近づいてくる。
穏やかな笑みが、とても不気味に感じた。
この倦怠感…お茶に毒でも盛られたんだ。
『何するつもり…』
「僕は、特殊な魔法を持っていまして」
『特殊な?』
「他者の魔力を奪うことが出来るんです」
…え?
「奪った魔力の質が良ければ、僕の魔力の質も上がる。…まあ、魔力の総量に変化はありませんが」
『奪われた人はどうなるの…』
「3日ほど激痛に襲われますね」
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むっふぃ〜(プロフ) - ユーホニア大森林が来た時点で私は確信してしまった...この作者なら仲良くできr(((とても面白いです!これからも更新頑張ってください!! (2018年9月9日 16時) (レス) id: 3afe744d97 (このIDを非表示/違反報告)
漆黒の羽(プロフ) - 初音さん» 本当ですね(;゚Д゚) ご報告感謝です (2017年9月2日 20時) (レス) id: ab31b519ce (このIDを非表示/違反報告)
初音 - 28の、「76時間耐久激痛」のとこ、丸3日間なら「72時間耐久激痛」ですよ! (2017年8月14日 23時) (レス) id: c5530373f4 (このIDを非表示/違反報告)
漆黒の羽(プロフ) - のんいろ。(レオンさん» コメントありがとうございます。お察しの通りです(笑)ぼちぼちですが更新頑張ります(*'ω'*) (2017年3月1日 19時) (レス) id: 19bb651143 (このIDを非表示/違反報告)
のんいろ。(レオン(プロフ) - クラ…サクッス…ユーホニア…あっ(ストーリーが私の好みすぎて続きが気になってしかたないです…!更新頑張ってください!! (2017年2月20日 17時) (レス) id: 98639aa88e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:漆黒の羽 | 作成日時:2015年12月18日 18時