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episode*18 ページ22











「降参、しますか?」


『…』






未だ刺さったままの短剣。

激痛と共に流れ出る血液が、貧血を引き起こして、気持ち悪い。

…でも、あいにく、こういう苦しみは慣れている。

前の世界で、散々味わった。


―――小学校の時からずっと、酷い、非道い、いじめにあってたから。







『この位、痛くないの…』






昔を思い出し、気持ちが暗くなる。

そんな気持ちを振り払って、気持ちを集中し直し、右のてのひらを、魔法を放つために開く。


そして、イメージする。


流れる水。
全てを押し流す、圧倒的な水を。





そして、放つ――!!









『水流(コリエンテ)!!!!』









途端、私を中心に、溢れ出る大量の水。






「…?!きゃあっ!!!」






水系初級魔法、コリエンテ_

溢れ出た水は、波のように外側へと勢いよく流れ、シュリを飲み込んだ。

それを見計らい、左手で、もう一つの魔法を展開する。





『インパルス…!』







バチィッ!!!!




水全体に、黄色の電気が流れる。

その水の中にいるシュリにも、当然電気が流れた。






「うううううッ!あああ!!!」




シュリは感電して、
…やがて気絶した。



右手の力を抜くと、水は光の粒となって消えた。魔法は力を入れ続け無いと消えてしまうのだ。


水が消えたので、気絶したずぶ濡れのシュリが地面に倒れた。

そのとき、地面に倒れた拍子に意識が戻ったのか、シュリの目が薄く開いた。でも、体は感電の衝撃で動かせないみたいだ。



そんなシュリに、私はゆっくり近付く。

さっきまで盛り上がっていた観客たちは、なぜか静かになっていた。









カツ、カツ、カツ




ローファーの靴音を鳴らしながら、シュリの元に着く。



「ひ、め…」



満身創痍のシュリを見て、少し罪悪感がこみ上げるのを感じながら、

無言で雷系中級魔法・エレキソードを出し、シュリの首めがけて降りおろし、寸止めする。




「…さすが、です」




シュリは、誇らしげに笑った。





「降参します」



















「勝負あり!!」

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むっふぃ〜(プロフ) - ユーホニア大森林が来た時点で私は確信してしまった...この作者なら仲良くできr(((とても面白いです!これからも更新頑張ってください!! (2018年9月9日 16時) (レス) id: 3afe744d97 (このIDを非表示/違反報告)
漆黒の羽(プロフ) - 初音さん» 本当ですね(;゚Д゚) ご報告感謝です (2017年9月2日 20時) (レス) id: ab31b519ce (このIDを非表示/違反報告)
初音 - 28の、「76時間耐久激痛」のとこ、丸3日間なら「72時間耐久激痛」ですよ! (2017年8月14日 23時) (レス) id: c5530373f4 (このIDを非表示/違反報告)
漆黒の羽(プロフ) - のんいろ。(レオンさん» コメントありがとうございます。お察しの通りです(笑)ぼちぼちですが更新頑張ります(*'ω'*) (2017年3月1日 19時) (レス) id: 19bb651143 (このIDを非表示/違反報告)
のんいろ。(レオン(プロフ) - クラ…サクッス…ユーホニア…あっ(ストーリーが私の好みすぎて続きが気になってしかたないです…!更新頑張ってください!! (2017年2月20日 17時) (レス) id: 98639aa88e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:漆黒の羽 | 作成日時:2015年12月18日 18時

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