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あの時 ページ25

「あー何処から話すべきか、、、そうだな…」



『………じゃあまず、母さんと父さんの関係性について教えてよ。


どうしてあの二人が出会うことになったのか』







その問いに、一瞬の沈黙が、辺りを漂う







「そう、だな」







あれは、なんというべきか………




喧嘩、それも命懸けのような喧嘩ばかりのやつらだったな





それでも仲は良かったんだろうがな、あいつらなりに





出会い……出会いか……






懐かしいな






あいつらはあの時から一触即発で、それでも互いを信用しているようだった







『おい、それじゃあ分からねぇよ。もっと詳しく教えてくれ』






「まぁ待て。そう急かさずとも時間はある」






お前の母親は、人間の世界から来た、客人、であった




しかしまぁ変わった奴で、身体能力が常人より高く、何より頭が他とは違っていた




頭の回転はそこらの天才の比じゃなかった





特に戦略においては、彼女の右に出る者はいなかっただろう




何故彼女がそのような才能を持ち合わせることになったのか……甚だ不思議であったな




それ故か、戦闘の鬼才と呼ばれたお前の父親でさえ、戦略の鬼才である母親には勝ったことが無かった






『はっ……!?鬼が女にか…!?』



「あぁ、そうだ。俺もあの時は驚いたよ



まるで歯が立って無かったんだからな」






でもまぁそれは母親の方もまた然りで、力の及ばないあいつは、お前の父親に勝てたことも無かった





ただ、あいつらにとっちゃあ初めての勝てない相手、だったってことだな







いつからだったろうか……




あいつらが変わり始めたのは




あれからは本当に時間が早く感じた






まぁそうだな



容易く言えば、、あいつらはまぁ、、そんな陳腐な表現で言い表せたものじゃないが……




恋に、落ちた訳だな







「俺はそういったことには疎いから、よく言えたもんじゃないが……まぁそういうことだったんだろう」





『恋……ねぇ…………、、親の色恋沙汰聞くのって、なんか抵抗あんな』





それで、あいつらはその王宮から逃げ出した



当たり前だ



鬼と人間がなんて、許されるわけがないからな






2人が姿を消したあとの王宮はもうそれはそれは慌ただしかった






両方が両方の才を失ったわけだからな






………悲劇は、そこからだった




いや既に初めから悲劇であったのか……






あいつらは結局、ずっと鳥籠に囚われたままだったんだ

20.ガヴェンという男→←.


ラッキー方角

西 - この方角に福があるはずです


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嬢症鬼龍(プロフ) - 白夜ナイさん» ありがとうございます!!楽しんで頂けて何よりです!! (2022年8月4日 12時) (レス) id: 87b62ec1cf (このIDを非表示/違反報告)
嬢症鬼龍(プロフ) - つなさん» 凡人の者です笑ありがとうございます!!ここでの温かいお言葉がいつも身にしみてます。泣 頑張りますね!! (2022年8月4日 12時) (レス) id: 87b62ec1cf (このIDを非表示/違反報告)
白夜ナイ - 更新待ってます‼️とっても楽しいです。 (2022年8月3日 17時) (レス) id: 2eef5eaf3b (このIDを非表示/違反報告)
つな - 嬢症鬼龍さん» 天才の方ですか…?初めて読んだのだいぶ前なのに定期的に戻ってきて読んでます笑 めっちゃ好きです!勉強大変だと思いますが、お体に気をつけて頑張ってください!! (2022年7月26日 23時) (レス) id: 2f8ab906b9 (このIDを非表示/違反報告)
嬢症鬼龍(プロフ) - いちご猫さん» やっと更新しました!!笑 いつも嬉しいコメントありがとうございます!!めっちゃ元気貰ってます泣 夏休みもきっと受験勉強で大忙しですけど、暇を見つけてちょっとずつ進めていきますね! (2022年7月19日 21時) (レス) id: 87b62ec1cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:嬢症鬼龍 | 作成日時:2021年7月14日 1時

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