聞きたいこと 沖田side ページ48
「んで？どうしたんでィ俺に変われなんざ。何か言いたいことでもあったのかィ」
以前Aの両親が旅行に行くというので少しの間陽太を屯所で預かったとき。電話越しに会話しているこのクソガキは俺のことを目の敵にしていた。まぁ、無理もなかった。Aはどうやら家族へと送る手紙にどれくらいの内容が書かれていたのかは知らないが、俺への悪口やらが書き連ねられていたらしい。陽太の言う『魔王』は、Aが俺のことを『まるで魔王だ』と表現したことが起因となっている。そう言われてしまうようなことを散々やっていたし、今でもそれは健在なのだろうから仕方のないことだけれど、ともかく陽太は俺のことを自分の姉に意地悪をする悪い魔王だと認識していた。
色々あり、少しはそれも払拭されたような気がしないでもないけれど。今じゃ陽太が居ない間のAの公認ナイトなのだけれど。それでもわざわざ俺に電話を変わるなんて、何事だと思っていた。
陽太は『聞きたいことがあって』と、ポツリと呟く。
『よく分かんないけど、うちいりっていうのがあるんでしょ？』
「ッ！」
まさかこのガキからそんな言葉が飛び出してくるとは思っていなくて、予想外の角度から殴られたような気分になった。それに、昨日の今日のことだし、ドキリと心臓が跳ねてしまった。Aに悟られないように平常を装ってはいるものの。
『お姉ちゃんからの手紙に書いてあったんだって。お母さんが、悪い人達をやっつけに行くんだって言ってた。それにお姉ちゃんも行くんだって』
「…そうだな」
きっと、Aが家族に伝えていたのだろう。討ち入り。つまりは戦場に足を踏み入れるのだ。生きて帰ってこられる保証なんてない。そんな場所に行くんだ、黙ったまま、何も言わないまま戦場に出て命を落としたなんて、そんなことがあってしまったなら、あまりに残酷すぎる。優しいAがそんなことを、大切な家族にするわけがなかった。
だから、数日に迫った今。前日ではなく、今日。電話をかけてきたのだろう。前日では、意識の切り替えの妨げになってしまうかもしれないから。
『ねぇ魔王』
「…ん？」
陽太はあどけない、汚い言葉なんて口にしたこともないのだろうそれで、俺に問い掛ける。
『そのうちいりには、魔王も行くの？』
「あァ。行くよ」
頷きながら、そう答える。一番隊隊長として。斬り込み隊長として、先陣きって突き進んでいくと言う使命が、俺にはあるのだ。
すると、陽太は小さく呟く。
『良かった』
安堵を織り混ぜたような声で。そっと。
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樹里 - 今回も陽太くんかっわいいっ！！うちの弟もこうだったらなぁ〜 あと、全然関係ないんですけど、名探偵コナンに沖田総司っていう人が出ててめっちゃびっくりしました。ちょっとパクられたような気がしたんで、ソッコーでコレ読みました(笑) (2018年10月7日 18時) (
レス) id: c11197eaa9 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - 樹里(元茉莉華)さん» 樹里さん！お久し振りです！コメントありがとうございます！いい感じのところですね〜私もここらへんは苦戦しつつも書けるときはとことん楽しんでいたので、うまいこと盛り上げられたらいいなと思います！着実に成長していく二人をお見のがしなく！（笑）頑張ります！ (2018年9月26日 23時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
樹里(元茉莉華) - ピピコさんお久しぶりです！ なんかいい感じのとこですねっ！！ 更新楽しみにしてます！ (2018年9月25日 17時) (レス) id: c11197eaa9 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - ヒタキさん» ヒタキさん！初めまして！ありがとうございます！いっぱい読んでださってるんですね…！すごく嬉しいです！何度も読み返してもらえるようないいお話が書けていたらいいなと思います！これからもドキドキワクワクして貰えるように頑張っていきます！！ (2018年9月6日 23時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
ヒタキ - こんばんは！初コメさせていただきました。ピピコさんのこの小説本当に大好きで何回も読ませてもらっています！！いつもドキドキワクワクです。これからも応援しています＾＾ (2018年9月6日 23時) (レス) id: 130f1442ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピピコ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時：2018年6月15日 19時
