検索窓
今日:13 hit、昨日:9 hit、合計:11,011 hit

第48話 交渉成立 ページ49

シスターの胸元には、縫い跡があった。

クローネ「あなた達はまだ逃げられるわ。」

A「何…?それ…」

クローネ「チップよ。
飼育者(おとな)はね、一歩でも農園の外へ出たら、コレに電気を流されて心臓を止められちゃうの。そしてコレは同時に、何か別の要因で心臓が止まると、農園(うえ)に通報する送信器でもある。
私は農園(なか)でしか生きられない。
だから、その中で一番イイ暮らしがしたいのよ。ママとして、偽りでも人間の暮らしを。小さな箱庭(おうち)のあたたかな家庭の可愛い子供達の可愛い愛情に囲まれて(ママ)になりたいの。
そのためには今の母親(イザベラ)が邪魔なのよ。排除したい。
あなた達が逃げればイザベラ(ヤツ)が罪に問われる。排除(ソレ)が叶うわ!!
私は邪魔をしない。逃げなさい、それが私の利益になる。」

ギルダ「出荷…しないの?標的(わたしたち)を。」

クローネ「しない(・・・)わ。
協力しましょう。敵は(ママ)イザベラ。共に追い堕としましょう。」

A「…」

クローネ「組みましょ♡」

シスターは笑って、お兄ちゃんに手を出した。

お兄ちゃんは、シスターの手を取ろうとする。

エマ「待って。私はノーマンの判断に賛成。でも、一つだけシスターに確認させて。」

クローネ「なあに?」

エマ「あなたが私達を裏切らない保証は?」

クローネ「信用してくれないのね。」

エマ「いいから!」

クローネ「レイよ。レイがこのことをママにチクれば、私を潰せる。
でも、私がレイの正体をママにチクれば、私はレイを潰せるわ。
だからお互い、裏切らないし、裏切れない。それでいいでしょ?」

エマ「…わかった。」

クローネ「交渉成立ね。」

シスターはお兄ちゃんの、手を握った。

ドン「…シスターもママも、農園(ハウス)出身だったんだな。」

クローネ「ええ。正真正銘、同じGF(グレイス=フィールド)農園(ハウス)。ここ、第3プラントじゃあないけど。」

ドン「?」

ギルダ「…」

クローネ「他にも私にしか教えられない情報、何でも(・・・)教えてあげる。
友好の証よ。今夜にでも、私の部屋にいらっしゃいな。」

ギルダ「…」

クローネ「ああ、そんなに怯えないで、ギルダ。
私はあなたに感謝こそすれ、恨んでなどいないわ。」

第49話 共闘→←第47話 バレた



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (4 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
8人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:苺の花 | 作成日時:2019年6月6日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。