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第43話 大切な道標 ページ44

レイ「因みに、ママや鬼の仕業って線はないぞ。
「秘密を知ったら即出荷」、その原則が全てだ。
これは「外」から鬼や大人に隠して、食用児(オレたち)に向けたメッセージ。
それ()まず、信じていいと思う。」

ノーマン「“それ()”?」

レイ「俺はこいつらと違って、疑り深いんでね。」

レイは、私とエマの頭に手を置く。

レイ「このミネルヴァって男、確かに味方かもしれん──が、生死も判らん相手だぞ。期待しすぎるのは、どうかと思うね。」

エマ「またそういう…!」

ノーマン「でも、「外に」味方がいた。
今もいる(・・)かもしれない。
W・ミネルヴァ(・・・・・・・)──この人は「外」にいて、農園の存在を知っていて、間接的にではあるけれど、僕らを助けようとしてくれている。」

エマ「ねっ!こんなメッセージ、この人の本にだけ。
それに、この(しるし)がいつ貼られたものかはわかんないんだけど、あの時の(・・・・)本にもホラ、貼られてるんだよ。」

A「これ、レイが前に見せてくれた2015年発行の本。」

ノーマン「他に…他に判ることないの?
本の中身(・・)や傾向に共通点とか…」

レイ「特にないかな…ジャンルも雑多…出版社や出版年も…」

エマ「でもアレ!ええと、どれだ?」

レイ「違う、その下。」

エマ「これだ!!
この2つだけ、モールスの意味がわからない。」

ノーマン「モールスがない(・・)マークと…もう一つは──」

A「PRO(・・・)MISE(・・・・)約束(・・)”…?」

レイ「中身はよくある冒険小説と、よくわかんねぇ神話の本だったかな。」

エマ「私、これ意味あると思うんだよね。
一つだけモールスがないのとか、ページが破れてるのとか、“約束(・・)”ってメッセージにも。」

ノーマン「この2冊は特別ってこと?」

エマ「うん!なんというか…私達にとって、何か大切な道標になるような気がする。」

レイ「根拠は?」

エマ「勘。」

レイ「…」

エマ「何、その顔!!」

ノーマン「でも、確かに調べてみる価値はある。ミネルヴァさんとその本の謎(・・・・・・・・・・・・・)。」

A「うん!あっ、もうこんな時間!」

私は時計を見て、声を上げた。

ノーマン「そろそろ行こう。僕らも夕飯の準備しないと。」

第44話 知られてしまった真実→←第42話 ウィリアム・ミネルヴァ



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作者名:苺の花 | 作成日時:2019年6月6日 2時

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