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第40話 秘密の部屋 ページ41

ドン「ハウスに“秘密の部屋(・・・・・)”がある?」

エマ「そう。場所はここ。ママの寝室(へや)の隣──
ママの寝室(へや)って、隣にトイレと洗面所、その先に壁を挟んで、ママの書斎って続くんだけど…ここ、多分壁じゃない。」

A「ママは姿を消す前、決まって書斎か洗面所に入っていく。」

エマ「それで、部屋の内側と廊下側(そとがわ)、それぞれ距離を測ってみた。」

ドン「結果は?」

エマ「合わなかった。私の足で10個分くらいの(スペース)がある。」

A「一方は壁、一方は本棚だけど、どっちにも隠し扉があるんだと思う。」

エマ「その先に秘密の部屋(・・・・・)がある。」

ドン「けど、それ何のため?」

エマ「それは多分…」

レイ「定時連絡。ママは本部に、毎日定時連絡をしている。そのための部屋だろう。」

ドン「“本部”?」

ノーマン「このハウスに弟妹(あかちゃん)大人(シスター)を供給している“拠点”だよ。」

ドン「なっ…」

A「レイは知ってたの?ここに部屋があって。」

レイ「いや、そういう部屋がどっかにあるって、存在は疑ってたけど…」

ドン「入ってみようぜ!「外」との通信手段…それに、コニー達の行き先も、何か手がかりが掴めるかもしれない!」

ギルダ「でも鍵は?ママが秘密にしている部屋なら入るのにきっと…」

エマ「ノーマン、開けられない?」

ノーマン「型によるけど…」

A「待って。そこまでするメリットないよ。」

レイ「Aの言う通りだ。
通信手段っつっても、十中八九本部と繋がってるだけだし、出てった兄弟の行き先(・・・)なんてママは知らない。記録(てがかり)以前の問題だ。
反面、下手したら発信器で俺達の行動がバレる。
その部屋のセキュリティだってわからない。危険すぎるだろ。」

ドン「だけど…!!」

レイ「つまり、メリットよりリスクの方が明らかにデカイんだよ。
場所がわかったのはよかった。──でも、今無理して入る場所じゃない。」

ノーマン「…だね。」

エマ「そっか。」

レイ「それよか、今探るべきは別のことだろ。」

ノーマン「今はとにかくシスターに気をつけて、下手な動きで墓穴を掘らぬこと。」

レイ「その通り。ママは勿論、シスター(・・・)にバレたら即アウト。そのつもりで動け。」

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作者名:苺の花 | 作成日時:2019年6月6日 2時

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