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第35話 どうして ページ36

ノーマンside

ノーマン「気が変わったんだ。
僕もレイを信じたい。敵である前に友達だって。
それにずっと気になっている不可解もある。
リトルバーニー隠したのレイだよね?僕らのために(・・・・・・)
レイがこの脱獄を仕掛けた(・・・・)んでしょう?」

レイ「…」

ノーマン「コニーを騙すことは難しくない。コニーと同室だったレイなら尚更だ。
食堂に置いた(・・・)LB(リトルバーニー)。エマが見つけなかったら、レイが見つけて、エマに渡すつもりだったんじゃない?」

レイ「…」

ノーマン「あの日、レイがああ言わなかったら、僕らは門へ行っていなかった。
レイは僕らが僕ら自身で真実に辿り着くよう仕向けたんだ。この施設の絶対秘密の真実に(・・・・・・・・・・・・・)。」

レイ「…」

ノーマン「100%ママの牧羊犬(イヌ)なら、そんな真似しないよね?
…レイは僕らを制御していた。主に進度の調整だ。内側からママの意に沿うように…」

レイ「…」

ノーマン「でも同時にママをも(・・・・)制御してくれていたんじゃないの?
スパイの立場から最大限、僕らが即出荷されないように。」

レイ「…」

ノーマン「事実、本物のロープの在り処は密告していないでしょう?」

レイ「…」

ノーマン「敵ならどうしてチャンスをくれたの?ママに背いて。
敵じゃないんでしょう?実際は。」

レイ「…」

ノーマン「僕らを致命的に不利にする情報はママに流していないし、発信器も壊せる。──違う?
ねぇレイ。レイはどうして、ママの牧羊犬(イヌ)をやっているの?」

レイ「志願した、自分から。」

ノーマン「!」

レイ「いや、「売り込んだ」の方がより正しいかな。」

ノーマン「どうして…」

レイ「脱獄の準備さ。全てこの脱獄のための準備。」

ノーマン「脱獄の…準備?」

レイ「そう…準備だ。
敵を知るにも、物を集めるにも、敵の懐が一番合理(いい)
だから俺は、敵に自分を売った。勝算はあった。
「俺は農園(ママ)が手間隙かけて育てた金の卵(ハイスコア)、それを中途で刈り取ることはママもできることなら避けたいはず」
案の定、ママは乗った。あの女は規則より利益だ。」

ノーマン「…」

レイ「要求したのはザックリ2つ。1、協力(シゴト)するから即出荷はしないで──と、2、結果を出したら報酬をくれ。」

第36話 条件→←第34話 今度は僕のスパイになって



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作者名:苺の花 | 作成日時:2019年6月6日 2時

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