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第27話 内通者 ページ28

ノーマン「この10日余りでママの手の内が見えてきた。」

エマ「どういうこと…?」

ノーマン「結論から言うと、ママは“標的”が最年長(ぼくら)4人──正確にはAとエマと僕にレイが加わったと既に“特定”できていると思う。」

A「“見当”や“疑い”じゃなくて、“特定”?」

レイ「“特定”だね。」

エマ「どうしてそう思うの?」

ノーマン「色々あるけど、わかりやすいのは「シスターの使い方」かな。
標的を特定できていなくて且つ特定する気があるのなら、疑いをかけた“年長者(ぼくら)6人”をマークしない、というやり口はありえない。
けれど、ママが実際シスターにさせている見張りは、終始あくまで“全体”の監視の強化。
もしやと思って見てきたけれど、それがもう10日以上続いている。
ママは特定する気がない。その上で僕らを好き放題動かしている。
でもそれもまたおかしいでしょ?」

エマ「うん…だったら最初の反応見(アレ)は何だったの?」

ノーマン「ね」

ママは“特定”したかった…

でも今はするつもりがない…

それは既に“特定”を済ませて(・・・・)いるから?

A「けど、どうやって?
発信器からは何の“断定”もできないはずだよね?
それに“特定”してるからって、好き放題動かしておくなんて…」

レイ「既に他の見張りがそばにいたら?」

A「えっ」

レイ「ノーマンが言いたいのはそういうことだろ。
シスターにマークさせるまでもない(・・・・・・・・・・・)
多分子供達の中に内通者がいる。」

A「内通…者?」

レイ「鬼の手先…裏切り者ってこと。」

ノーマン「いや、そうとは限らない。
無自覚にママへ情報を流している場合もあるだろうからね。
厳密にはママの「情報源(・・・)」。
「情報源」を利用した標的の掌握と制御。恐らくそれが…」

ママの()の“実際”──

第28話 疑え→←第26話 封じる



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作者名:苺の花 | 作成日時:2019年6月6日 2時

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