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第20話 理由と狙い ページ21

エマ「まずは2人がどこから(・・・・)来たのか。」

A「だね。」

ノーマン「キャロルはコニーの代わりだ。つまり商品の補充…」

レイ「──ああ。“孤児院”でなく“農園”なら、補充され続ける一歳児をつくるか攫うかして用意している「拠点」があるってことだ。」

ノーマン「食用人間の供給拠点…」

エマ「キャロルは…いや、私達も皆、元はそこから来たってこと?」

レイ「多分な。そしてあの“シスター”もだ。」

ノーマン「ママ以外の飼育者(おとな)がいるって事実も大きいね。
GF(ここ)同じ(・・)農園が他にもあるのかもしれないし。
彼ら鬼に従う大人が、「生まれた時から鬼の支配下」なのか、「人間社会で生まれたのちに捕獲された」のか。それだけでも出た先の世界は違ってくる…」

レイ「今、新人(キャロル)が来たのもデカイぞ。
他のどの子供にも痕跡がなくても、来たばかりのアイツにはあるかもしれない。
目下3つだ。1、大人が「外」を知る鍵ってこと。2、キャロルが発信器の糸口ってこと。そしてもう一つ。3、なんかやっぱママのやり口が変ってこと。」

エマ・A「!!?」

エマ「えっ、ちょっ、何?ん!!?」

A「ごめん、わかんない…」

レイ「や、だって変だろ。
わざと見せる、そんでビビらす。
最初の発信器といい、今回といい、そんなんばっか。
おかしいって明らかに何かある(・・・・・・・・)
“お見通し”ならさっさと見つけて即出荷!それでいいだろ。」

ノーマン「でも、ママはそれをしない。
それができない“理由(・・)”──あるいはそれをあえて(・・・)しない“狙い(・・)が何かママ側にあるってことだ。”」

エマ「一体どんな…」

ノーマン「それはわからない…」

レイ「でも、だから俺達にはママの()が今一つ読めない。
敵の出方がわからねぇ以上、事は一刻を争う。
わかる(・・・)な?エマ。」

エマ「任せて。私がキャロルから発信器のヒント掴んでくる!」

────────────────

シャーッ

ノーマン「なじんでるね。」

レイ「ああ、なじんでる。」

A「…」

洗い物をしながら、みんなとなじんでるシスターを見る。

レイ「発信器は勿論、「全員を連れ出す方法」も考えねぇとな。」

ノーマン「うん…」

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作者名:苺の花 | 作成日時:2019年6月6日 2時

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