終わらない物語 (ページ16)

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拾肆ページ16

黄耆の能力は「電気」

黄耆は身体中に電気をためて爆発させるため、能力を使っている最中は体に閃光がまとわりついているように見える

なんといっても綺麗…
まるで、雷の神様みたい

「ほら、早く逃げないと捕まえちゃうよ？」

怪しく笑う顔は、能力を使う事を楽しんでいるみたい

確かに、能力を使っている時は体がフワフワして気持ちいいけど…

戦いが始まる
まぁ、黄耆がやったら一瞬で終わるけど

本当に一瞬だった
まるで雷鳴が空に轟くように
稲妻が空を走り抜けるように

全てが一瞬だった＿＿＿

「ねぇ、もう終わり？よっわいなぁ…コレで僕に喧嘩売ったの？馬鹿じゃない？」
相手はもう戦闘不能。なのにまだ戦おうとする黄耆
頭がおかしくなったみたい

「もうやめてっ！！」
こんなの、黄耆じゃない
こんな、殺戮を楽しんで…

「あはははは！もっと遊ぼうよ、ねぇ、もう終わり？つまんないなぁ」

恐怖を覚えた
やだ、もう止めて…黄耆！！

「やだ、やだやめて！黄耆！やめてって！お願い！もういいから！ねぇ…止め…」

バチィッ

！！

「ごめん、Aちゃ、ん。力…止められ、ない」

え、まさか…力の暴走！？

「僕から…離れ、て…！」
黄耆が必死の形相で私に言う

きっと今黄耆は意識を飛ばして私を襲おうとするのを必死で耐えている
かなり疲れるし、大変なことだ

やり過ぎたら負担がかかりすぎて死ぬかもしれない

「我慢するの、止めて！止めるから！爆発したら止めてあげるから！我慢しないで！死んじゃう！」

「もし、死んでも、Aちゃん守れるから、いい、や」

なんでそんなこと言うの
私なんか、死んだっていいのに

「ダメぇぇぇぇ！！！」

バシャッ

「大丈夫！？A！」

水が見えた
透き通る水

「ありがと…葵」

あぁ、タイミング良すぎるわよ
皆

いいとこ取りしちゃって

まぁ、いいか

「黄耆を、止めて」
「はいはい、そういやもう能力使えるよ？」
「嘘！じゃあ、私もやろっかな」

黄耆は二人がかりじゃないと昔から止められないんだよね

パチ…バチ…バチィッ

両手に電気の塊を作る黄耆

戦うなんて、久しぶり…

手加減なんかしないから