男主が好きなんです。 (ページ12)

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「その反応は当たりってことだよね」

狛枝はニコニコと笑みを浮かべている。
心の内を全て見透かされているようで、居心地が悪い。

「お相手はー……左右田くん、だよね？」

……そこまでバレてんのかよ...

『…………だったらなんだよ...周りに言いふらすか？超高校級の脚本家は同級生の男に恋してるーって』

「まさか！！そんなことはしないよ！！！Aくんが左右田くんに向ける感情はとても美しいよ！！
それに、周りに言ったところで否定するような人はいないと思うな」

そんなこと言われるとは...驚きだ。

まあ確かに、ありがたいことに俺の周りの奴らはなんだかんだ応援してくれそうだな...。

「………でも、今のAくんはすごく辛そうだよ。」

『辛...そう？』

「きっと叶わない恋だって思っているんだろう？」

……その通りだ。左右田の中の俺は"親友"。
この肩書きが俺の望んでいるものに変わることはないだろうし、

あいつのそういう感情は全てソニアに向けられている。
俺に向くことは……きっとないだろう。

『……思ってるよ。絶対に叶わないよ。……そんなの俺が1番分かってるよッ！！』

実際に口に出したことで、今まで逃げてきた事実を突きつけられた気がして、俺は、

泣いていた。

『...ッ……くそッ…。』

涙が止まらなくて、目元を擦る。

すると、狛枝に手をとられた。

『な、なん...だよ...。』

狛枝は少し微笑んでいる。
その表情には、気味悪さも心地悪さも感じない。

暖かくて優しい笑みだった。

「……Aくん。｣

声から真剣さが伝わってくる。
急にどうしたんだ...？

『な...んだよ…？』

真剣な眼差しで俺の目を見てくる。
少し沈黙が走り、狛枝が口を開いた。

「……その恋諦めて、僕にしない？」

と手を差し伸べてくる。

……...……もういっそこの手をとってしまおうか。

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狛枝の手をとるかどうかはお任せましょう。

左右田くん推しの私が実際に見た夢にすこし脚色したお話でした。