潜入捜査官やまだ(×ym) (ページ11)

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▽ ページ11

「高木くん？！」

「なにしてんだお前、？！」

俺を庇ってくれた有岡さんにまたも感動していると、

さっき別れたはずの高木くんの登場にその場がザワつく。

「んー、誰かな？このクソガキくんは。笑」

「あ？」

有岡さんといい、薮先生まで

一般市民に対して口悪すぎないか？！

「た、高木くん！なんでここにいるの？！さっきはもう帰ってって言ったでしょ？！」

早く帰ったほうがいいよ！

この二人が更に口悪くなる前に！！泣

「なんでって……お前が心配なんだよ、山田…///」

「へ？」

さっきまで仏頂面でカッコつけていたはずなのに

俺を見ると、くぅ～んと飼い主に怒られて落ち込む仔犬みたいな顔になる高木くん。

「さっきの怪我…お前は大丈夫だって言うけどさ、俺がちゃんと守ってやれれば…お前は怪我しなかった…」

「いや、別に守ってくれなくていいんだけど……」

「悪い……山田……」

俺の不安を他所に、一人で盛り上がっている高木くん。

でもそんな彼を見て、さっきまで険しい顔をしていた薮さんも

ふにゃりと効果音がつきそうなくらいふにゃふにゃの笑顔に変わった。

「なるほどなるほど…笑」

「え、何がですか？薮先生…」

「青春だな～」

「有岡さんまで！なんなんですか、もう！！」

俺だけが話についていけないこの状況、

なんかデジャブ…？

「で、ヤンキーくんは山田を心配するためだけにここまで来たわけじゃないだろ？要件を言ってみな？笑」

「…お前は話が分かるみたいだな。」

勝手に話が進んで俺以外の皆が高木くんの次の発言を知っているみたい。

俺だけが、高木くんの次の言葉に固唾を飲む。

「俺がオヤジ狩りの主犯を捕まえたら、

山田は俺が貰う。」

「……………はい？」

「ぶっ、あははははははは！！笑笑

無理、むりむり！！笑ひ～笑まじな顔して何言ってんだお前、笑笑」

「ちょ、笑いすぎですよ、ボス…ぷっ、ぶはっ笑笑」

「お前も笑ってんじゃん有岡ぁ！！笑笑笑」

「え、ちょ、え？」

なになに？

状況が全く見えてこないんだけど、え？

「おい！なに笑ってんだよクソが！！」

「だってお前、ぶふっ、！笑笑」

「っ～～！////いい加減にしろ！！////」

「はぁ～～…笑笑った笑った…笑」

「？？？」

一体高木くんは何を言ってるのだろう。

俺を貰う？なぜ？どういう意味？

くすくすと笑い合う薮さんと有岡さんを余所に

俺だけがまた取り残されていた。