HiGH&LOW〜俺が守るから〜【3】《佐野玲於》

目の前には ページ16

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A｢…何してんの。｣


男｢ん？あ、なに？友達？｣




突然現れた私に驚きながらも
男のひとりは、お姉さんも一緒に遊ぼうよ？
って、私の肩を掴んでくる。


その馴れ馴れしさに、
私は自分の方に乗るその手をひねり上げた。




男｢いっ……！！｣


男｢っ！？お前っ！！｣




私の行動に、連れの男も驚いて。




A｢……嫌がってんじゃん。めんどくさいのは嫌われるよ？｣


男｢はあ！？｣




男は掴まれた手を無理やり振りほどいた。




男｢ふざけんなよ…！！｣




振り下ろされた拳
軽くかわしてやって、彼女の手を引く。


目の前の出来事に、驚いてるみたい。




｢えっと、あの……｣


A｢大丈夫ですか？｣




できる限り、優しい笑顔を浮かべてみせる。




A｢行きましょう？｣


｢はい…｣


男｢待てよ！！！｣




背を向けたところで、
後ろから声を荒らげる男達。



…まあ、そうなるよね。

ここ、S-WORD地区だし。



彼女を路地裏から出して、私は後ろを振り返った。


次自分がどんなことをするのか、
なんとなく予想はついてる。




…せっかくレオの言うこと聞いてたけど
これくらいは許してよ。

人助けのつもりだから。




立ち止まってる私に向かって、
男は拳を握りしめて近づいてきた。

歩む足は助走に変わり、拳は振り上げられる。


私はそれを受け止める準備。




……ところが。




｢……ったく、何やってんだよ｣




その拳が、私に振り下ろさせることはなかった。





……目の前には、カーキ色。





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