名探偵コナン 短編集 【怪盗キッド/黒羽快斗/工藤新一/安室透/降谷零/江戸川コナン】

新婚旅行 3 【工藤新一】 ページ39

『あの…もうそろそろアイマスクを外してもいいですか？』

｢いえ、ご案内するまでお待ち下さい｣

『はぁ…』

アイマスクをしたまま連れられる
どうやら先程までいた部屋から出たようで
手を引かれて廊下を歩いている

｢こちらです｣

『もう、取ってもいいんですか？』

｢ええ、どうぞ。
後はお楽しみ下さいませ｣

そう言って足音は去っていった
とりあえず、アイマスクを取る
どこかの部屋の前

『ここが、私の泊まる部屋かな？』

自分の姿を見ると…
純白のドレス姿…まるで花嫁…

『この姿で入るの？』

え…人違いだったらどうするのよ…
今更ながら不安が募る

ｺﾝｺﾝ

扉が開くとそこにいたのは
同じ白のタキシード姿の新一…

新｢お待ちしていましたよ｣

『し…新一…』

入った部屋は一面にひまわりが
私の1番すきなお花…

新｢ほんと、キレイだな…｣

新一にエスコートされてひまわり畑のような部屋に入る

『これ、どうしたの？』

新｢ここのホテルの人に頼んで飾っといてもらったんだよ。おめぇの好きな花だろ？｣

『…』

こういう所が本当に好き

新｢で…さ、結婚式で白のドレス着れなかったからって後悔してたろ？｣

そうだ…本当は着る予定だったドレスが手違いで届いてなくて急遽違うドレスになったんだ…

それによく見るとあの時に着るはずだったドレス

本当に…新一と結婚できて良かったと心から思う

『新一っ！』

新｢おわっ！｣

気づけば新一に抱きついていた
昔からそう
私の事をよく見ていてくれて助けてくれて
新一にはたくさんの気持ちを注いでもらってきた

『好きです』

新｢んだよ急に…｣

『急じゃないよ…ずっと、ずーっと好きだもん』

新｢知ってるよ、Aの事ならなんだって｣

『じゃあ、私が今なにを思ってるか分かる？』

新｢分かりてぇけど…それはAの言葉で聞きたい｣

『…新一の全部がほしい』

新｢…っ｣

『私に全部くれませんか？』

新｢ったく…Aは欲張りだな｣

『だって…新一の事しか見えなくしてほしいから』

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