検索窓
今日:39 hit、昨日:52 hit、合計:783,838 hit

じゅうろく ページ16





最近、不死川が任務で家を空けることが増えた。
その度に炭治郎や善逸、伊之助が来てくれるが、Aは少し悲しかった。

もしかしたら、また捨てられてしまうかもしれない。
そんな漠然とした不安が、Aの胸をいっぱいにしていた。


「あ、不死川さん帰ってきたぞ」


不死川の匂いを感じ取った炭治郎だったが、その異変に眉を顰める。


(酷い匂いだ…怒りを通り越して、憎しみの匂いがする……)


そんな炭治郎に、Aはこてんと首を傾げた。
その姿を見て、炭治郎はそっと彼女の頭を撫でる。


「Aちゃんはここで待ってて」


そう言うと、炭治郎は玄関先へと行ってしまった。



そして、帰ってきた不死川の姿を見るなり目を見開く。


「不死川さん!その怪我は…!」


「帰れ。胡蝶には言うな」


「でも…」


「帰れと言っているだろォ」


その怒りに満ちた眼差しに、炭治郎は何も言わずに屋敷を出た。

そして、一度不安げな表情で屋敷を振り返ってから、蝶屋敷へ向かう。


そんな中、不死川は今回の任務で助けられなかった人の事を思い、悔しさと憎しみに打ちひしがれていた。


(クソッ………)


躊躇したのだ。
今までは、自分の命などどうなっても良かった。
しかし今は、アイツがいる。
アイツには、俺しかいない。

そんな思いが、不死川を躊躇わせた。


そんなことも知らずに、Aが部屋から顔を出す。


その姿を見た瞬間、不死川は自分の不甲斐なさに腸が煮えくり返るような怒りを感じた。



「しばらく、俺の視界に入るなァ」



酷く低く、怒りに満ちた声にAがビクリと肩を揺らす。


その横を、不死川が血を流しながら歩いていった。




じゅうなな→←じゅうご



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (814 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1453人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

にゃんこ - 完結おめでとうございます!すてきな世界ですね!無主ちゃんも口がたっしゃに……(おばあちゃんみたいですね)。新作見ました!面白いです! (2020年1月6日 18時) (レス) id: be5a9b4de5 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 完結おめでとうございます!まおうさん良い人で良かった! 実弥と夢主さん一緒にいられる結末で良かったです(*´ω`*)個人的に炭治郎も出てきてくれて嬉しかったです♪ (2019年12月18日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
カボスプレス(プロフ) - 優しい世界ですね...ホワホワしました。いたいのとんでけ のところで思わず一緒に泣いてしまって(*´-`*) ほかのお話も読みに行きます! (2019年11月16日 11時) (レス) id: dccf658439 (このIDを非表示/違反報告)
カズハ(プロフ) - 泣きました…不死川夫婦お幸せに…まおうさんにも幸せになってほしい… (2019年11月5日 19時) (レス) id: 082d86be6d (このIDを非表示/違反報告)
よる - 面白そうだなって読んでみたらあなたの新作読んでました笑笑。それにしても、婚約者ええやつやな… (2019年10月27日 22時) (レス) id: bbe87bcae1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みーた x他1人 | 作成日時:2019年10月21日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。