Cinq-cent-trente ページ49
『...?』
「何やってんだ」
ｷｮﾛｷｮﾛ、と辺りを見回す僕に
騒がしくなったのが気になったのか
アサヒさんが聞いて来た
『いや...幸平どこ行ったのかなって』
「そこにいるだろ、ホラ」
『あ、ほんとだ』
アサヒさんの指差す先には
第二の試練のコンビニの袋を抱えた幸平がいて
買い物して来たのか
すると
「オネーさんのチェーンソー
すっげえカッコいいっすね
でも...俺も持ってるんすよ、チェーンソー」
『へぇ、』
あの様子から見る限り
幸平自身も何か考えをまとめて来たようで
「なんだと」
「これっす」
そう言って取り出したのは...
『アイスクリームのスプーン?』
「....」
まさしくコンビニと言おうか
よく見たら、調理台に並べられた素材も
豆腐、豆乳、バナナ等、と
オーソドックスからは全く外れたものばかりで
「貴様...愚弄しているのか!!
私の兵装料理にそんな物で対抗するだと!!!」
「いや、別に馬鹿にとかはしてないっすよ？」
相変わらず、その場の空気を切り替えるというか
ぶち壊すのがうまい...というべきか
何やら揉めていた様だけど
漸く幸平の方も調理が始まった
『ミキサーに豆腐に豆乳
バナナやココアパウダー、後
アボカド?』
意外な食材が出て来た
どんな皿かな、と見ていたら
「アボカドがフルーツ、つう説
知ってんだろ」
『あぁ、この間ネットで見ました』
確か...元々は甘いからフルーツ、甘くないから野菜か？
みたいな表題だったと思うけれど
結構面白かったよ
森のバター、なんて言われる食材だから
合わせ方はかなりの数が存在していて
でもケーキに合わせるとは...
さすがだね
調理にサージェさんほどのインパクトは
ない様に見えたけど
それでも彼らしい、幸平の調理が見られて
観客の期待はかなり高まる
そうして出て来た皿は
「ゆきひら流
真夏のクリスマスケーキっす!!」
「ほぅ....」
『おぉ』
Bûche de noël(ブッシュ・ド・ノエル)の様な
ケーキに、上に乗っかる二つの大きな花火玉
「サク、食材わかるか?」
『っと...ココアパウダー、バナナ、豆乳、オレンジ、
後、多分コーヒー?』
アサヒさんに言われて
遠目だから少ししか分からないけれど
フルーツや甘味に合わせて
一つだけ、ローストされた様な
際立つ香りが嗅ぎ取れる
...アキラなら全部わかるんだろうな
くっそ
「なるほどな...」
『...』
調理に関しては、アサヒさんも
幸平をそれなりと見ているのか
城一郎さんの子供、と見ているのか
少し目に影が落ち始めた
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blu (蒼)(プロフ) - 雑食の腐女子さん» 「あら、えりなばっかりじゃなくて私の出番もちゃんと見てってね」 (2021年11月1日 10時) (
レス) id: 55c7ca7037 (このIDを非表示/違反報告)
雑食の腐女子 - とても面白かったです続き楽しみにしています (2021年10月28日 9時) (レス) @page3 id: 1927aaa4c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼 | 作成日時：2021年10月27日 6時
