Cinq-cent-vingt-neuf ページ48
幸平は確かにパティシエじゃないし
いまいちケーキ、というお題は
彼にとっては難しい部類に入るのかもね
すると
「幸平創真、見るがいい
これが真の兵装料理だ!」
先に調理を始めたのはサージェさんで
そういえば…
『アサヒさん、耳栓いりますか？』
「一応もらっとくわ」
サージェさん相手に何度か勝負させてもらうとき
いつも耳栓は欠かせないものだった
なんでかというと
ｰｳﾞｨｨｲｲ!
初手は卵白と砂糖を入れたボールに突っ込んだ
チェーンカービングナイフ
「あのナイフ、先ほど肉を調理したものとは別物のようですね」
審査員の人のいうとおり
さっきとはアタッチメントを変えているサージェさん
カービングナイフというと、よく想像されるのは
肉切り用のものなんだろうけど
彼女のナイフはそんな一つだけの用途じゃとどまらなくて
手元を見ても、押し付けすぎずに
生地が遊ぶように出来ていく
『流石ですね』
「アイツは人一倍、こだわり高えからな」
『その分、実力も人一倍だと思います』
本人の過去は知らないけれど
一番線引きをしているのはサージェさんだと思う
僕が遠月に戻るって言った時も
あまり良さそうな顔をしなくて
多分、心配をしてくれていたんだろう
次々とアームド、というだけあって
様々な武器を使って調理を魅せていく
サージェさんに観客は沸きあがる
今はまだ大丈夫、なんて高を括っていたら
「鼓膜を破られたくなかったら耳をふさげ!!」
調理の終盤、何やらオーブンのようなものにつながれた
爆弾の発火装置のようなもの
それを確認したアサヒさんが促してくれた
「耳栓しとけ、A」
『はい』
やっぱりか、
装置に足をかけたサージェさんによって
スイッチが入れられたオーブンからは
大きな音と、生地の焼きあがる豊かな香り
加えて
『あれ…焼きチョコですね』
「嗅覚か？」
こちらを向いたアサヒさんにうなづいて見せる
確かに、焼いたときの香ばしいような香りに交じって
チョコレートのような香りがしていて
「さっきハンマーで割ってたやつだな」
『なるほど、パイ生地の量からして…
ミルフィーユですかね』
ようやくサージェさんのケーキは
大体の予想ができた
カービングナイフを使用した
ホロリと口どけるメレンゲを使った
特殊オーブンによって一気に焼きあがった
ミルフィーユ生地
クリームもカービングナイフが使われている
最後は何かのアクセントに使ったんだろう
何かを混ぜていた焼きチョコレートのようなもの
一方で幸平は…
『あれ？』
いない？
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blu (蒼)(プロフ) - 雑食の腐女子さん» 「あら、えりなばっかりじゃなくて私の出番もちゃんと見てってね」 (2021年11月1日 10時) (
レス) id: 55c7ca7037 (このIDを非表示/違反報告)
雑食の腐女子 - とても面白かったです続き楽しみにしています (2021年10月28日 9時) (レス) @page3 id: 1927aaa4c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼 | 作成日時：2021年10月27日 6時
